研究課題/領域番号 |
22K04938
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分29030:応用物理一般関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
松田 理 北海道大学, 工学研究院, 教授 (30239024)
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研究分担者 |
友田 基信 北海道大学, 工学研究院, 助教 (30344485)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | ピコ秒レーザー音響法 / ブリルアン振動 / 2次元グレーティング構造 / せん断音響波 / 縦波音響波 / 音速 / 時間分解測定 / ナノスケール周期構造 / 超音波 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、ブリルアン振動を用いた高度な音響・光物性評価を簡便に行う手法を開発することを目的とする。その基礎をなすものは、ナノスケール周期構造を用いたピコ秒レーザー音響法である。特にグレーティング構造 (1次元周期構造)に加えてドット配列などの2次元周期構造を用いることで、生成・検出される音響波の自由度(縦波・横波の別、偏極方向など)を大きく拡大することが期待される。
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研究実績の概要 |
透明媒質中を伝播するGHz周波数領域の超音波パルスによって単色光が散乱されると、散乱光にブリルアン振動と呼ばれる時間的な強度変調が生じる。本研究では、ブリルアン振動を用いた高度な音響・光物性評価を簡便に行う手法を開発することを目的とする。その基礎をなすものは、ナノスケール周期構造を用いたピコ秒レーザー音響法である。特にグレーティング構造(1次元周期構造)に加えてドット配列などの2次元周期構造を用いることで、生成・検出される音響波の自由度(縦波・横波の別、偏極方向など)を大きく拡大することが期待される。 今年度は2次元周期構造による等方性固体試料の測定を行った。等方性透明固体試料(石英ガラス)の表面にサブミクロンスケールの2次元AuおよびAl周期構造を形成した試料を作製し、ピコ秒レーザー音響法測定を行った。グレーティング構造を用いない従来の測定では、多くの場合、試料および測定の対称性のために縦波音響波のみが生成・検出可能であった。これに対して横波(せん断)音響波の観測には、縦波音響波の 測定のみでは知りえない弾性テンソル成分を評価できる、一般にせん断音響波は縦波音響波より遅いので同じ周波数で比較すると波長が短くなる、などの利点がある。申請者は1次元金属グレーティング構造によってせん断音響波が生成・検出が可能であることを、適切な入射角を持つ斜め入射プローブ光学系を用いて実験的に既に示しているが、この方法では試料の保持角度の条件が厳しく測定は難度の高いものであった。これに対して2次元周期構造を用いることで、単純な光学配置であっても実効的に自由度の高い斜め入射光学系に相当する測定が可能となり、せん断音響波の検出が簡便になると期待される。入射光と回折光が反平行になる光学配置において、適切な偏光をもちいることでせん断音響波の検出が可能であることを実験的に示した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2次元金属グレーティング構造を作製し、ピコ秒超音波法を用いて、せん断音響波を比較的簡便な光学配置で励起・検出可能なことを実証した。これらの結果の一部は既に2011年11月に開催された超音波エレクトロニクスシンポジウム(京都)で発表された。また、2023年6月に開催される国際会議Phononics 2023(マンチェスター)においても発表を予定している。また、関連研究として、直方体透明媒質の側面からプローブ光を入射することで、媒質の光学的な屈折率を知ること無しにピコ秒超音波法によって音速を測定する方法を論文発表した。
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今後の研究の推進方策 |
2次元金属グレーティング構造によって生成された縦波・せん断音響波による光散乱を、理論的に定式化し、測定結果の定量的な解析を進める。特に、偏光によって光散乱の効率がどのように影響を受けるかを調べ、せん断音響波の検出に最適な光学・偏光配置を検討する。また、グレーティング構造の対称性を下げることで、せん断音響波の生成効率を制御することを試みる。現状では正方格子または長方格子からなる2次元グレーティング構造の基本構造は、格子の基本並進ベクトルに沿った正方形または長方形としているが、これらを基本並進ベクトルに有限の角度をなすように配置することで対称性を下げ、特定の偏極を持つ剪断音響波を選択的に励起することを考えている。
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