研究課題/領域番号 |
22K04960
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分30010:結晶工学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
江藤 数馬 国立研究開発法人産業技術総合研究所, エネルギー・環境領域, 研究員 (70711828)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | SiC / 結晶成長 / ドーピング / 結晶欠陥 |
研究開始時の研究の概要 |
SiCの単結晶成長技術が進展してきているが、更なる高耐圧パワーデバイスの開発にはp型の4H-SiCの低抵抗基板の普及が必要である。しかし、その成長の困難さからSiCのp型バルク単結晶成長技術に関しては開発が進んでおらず、その一因にはp型成長特有の欠陥発生の要因が明らかになっていない事が挙げられる。 本研究では、p型4H-SiCの昇華法成長において多形異常と貫通転位増加の両方を抑えて安定した結晶成長を実現することを目指し、Al,Nのドーピングが結晶成長へ与える影響を系統的に検証することで、p型4H-SiC結晶成長における欠陥発生メカニズムの解明を狙う。
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研究実績の概要 |
2023年度では、貫通転位の増加程度のドーピング濃度依存性の検証を進めるためにAlドープを伴うSiC結晶成長を追加で実施しその評価を進めた。高Alドーピング濃度でも貫通転位が増加しないような成長条件を見出すために、結晶成長温度やAlドーピング原料となる炭化アルミニウムや窒化アルミニウムの加熱温度の条件を検討したが、徐々にAlドーピング濃度を増加させていくような成長条件は、炭化アルミニウムや窒化アルミニウムの炭化状況によって結果が異なる傾向も見えており、Alドーピング濃度の変化を緩やかに変化させていくような成長を再現性良く実施するのが困難な状況に直面した。そのため、坩堝構造を再検討して1インチの4H-SiCのp型成長を再現良く実施できる条件を確立し、その条件においてAlドーピング濃度の徐々な変化が得られるような成長条件の検討を進めた。得られた結晶の成長方向に平行に切断して得られた断面試料でのX線トポ評価も進めており、成長時のAl濃度変化と貫通転位の関係の評価を進めた。過去に実施した3-4インチ口径での結晶成長と比べて、1インチ口径での成長では、現状の構造の成長条件では、初期成長層から、比較的高めの濃度でのAlドーピングがされやすいこともあり、貫通転位増加がやや顕著な結晶成長になりやすいことが判明している。成長結晶の口径が小さくなることにより、同じような炭化アルミニウムや窒化アルミニウムの加熱状況でのp型成長でも、より高濃度なAlドーピングがされやすい状況になっていることが示唆される。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
1インチのp型成長条件を確立はできたが、口径現象によるAlドーピング濃度の増加が想定よりも多い状況になっており、初期成長層での転位増加を抑えるようなp型成長条件を安定に実施する事がまだ未完成であり、貫通転位数の増加とAlドーピング濃度の変化を議論するのに十分なデータの取得が十分にはまだ出来ていないため。
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今後の研究の推進方策 |
貫通転位数増加とAlドーピング濃度との関係の検証をまとめるため、特にAl低濃度ドープの成長条件を再検討し、その結果とこれまでの成長実験結果の比較検討を行い成果をまとめていく。また、ドーピング濃度自体の変化に着目を行うため、AlとNのコドーピングによる成長実験と同時に、Alドープ成長中にアクセプターであるホウ素添加する事による影響も検証を進めていき、不純物ドーピングと貫通転位増加との影響を調査していく
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