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開口マスキング波面計測補償光学による深部生細胞4Dライブイメージングの実現

研究課題

研究課題/領域番号 22K04961
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分30020:光工学および光量子科学関連
研究機関北見工業大学

研究代表者

三浦 則明  北見工業大学, 工学部, 教授 (30209720)

研究分担者 澁谷 隆俊  北見工業大学, 工学部, 准教授 (30713995)
玉田 洋介  宇都宮大学, 工学部, 准教授 (50579290)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
キーワード補償光学 / 開口マスク / 隣接相関 / 生物顕微鏡 / ライブイメージング / 波面計測 / 開口マスキング
研究開始時の研究の概要

顕微鏡を用いて生きた細胞や組織の内部を観察する場合、混在する様々な構造体によって光波が乱され、観察される像が著しく劣化し、核心的な情報が正しく得られなくなる。これは生物学の研究に大きな支障となっている。これを解決するため、補償光学(AO)を用いて、生物学において不可欠な高解像度での3次元空間+時間の4Dライブイメージングを実現する。本研究では、生物顕微鏡用AOに適した波面計測法として、天文分野で開発された開口マスキング法の原理を応用した新しい波面計測法を開発し、複雑な3次元物体を明視野で観察する場合でも高精度な波面計測を可能にする。

研究実績の概要

開口マスキング補償光学(AO)顕微鏡の光学系の構築を行った。可変形鏡で反射したビームをレンズで結像させたのち、視野絞りを通してコリメートする。それを開口マスクを通過させたものをレンズで再結像させる。このようにして得られた像は、孔の位置に応じて変調されたものとなり、元の像に位相揺らぎを与えるとそれに応じて像が変化することを確認した。現在は、得られた像から位相揺らぎを導出するコードをAOシステムに導入する作業を行っており、これが終了すれば本格的にAO実験を実施できる。ただし、実験を通して位相推定結果が孔の配置の精度および開口マスクの設置位置の精度に強く依存することが分かったのでこれに対処する必要がある。
開口マスクの孔の配置とゼルニケ多項式との関連を調べる計算機シミュレーションも実施した。昨年度からコードを改良し、より詳細な検討を行った。この結果、孔の最大数19、ゼルニケ多項式15項のときは、マスクのペアが2組で良いことが分かった。これによって処理時間の短縮が可能となった。また、孔の最大数37の時もマスクパターンの設計が終了した。この場合はマスクペアが3組必要であることが判明した。シミュレーションについては今年度で完了させることができた。
上記の研究と並行して、隣接相関を用いた波面推定法の開発も昨年度に引き続き進めた。植物を用いた詳細な実験を進め、統計的に検証したところ、隣接相関を用いた波面推定法が従来法よりも良好な結果を与えることが分かった。この結果を用いた論文がPlant cell and Physiology誌に採択され、公表された。また、Optics & Photonics Japan 2024において研究発表を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究項目ごとに進捗のばらつきはあるが総合的に見ると、おおむね順調と評価している。

今後の研究の推進方策

1.より高精度な開口マスクを製作する。工作作業の専門家と協働して進めることで対処する。
2.モデル物体および植物細胞を用いたAO実験を実施する。
3.結果を取りまとめ、開発したシステムの評価を行う。
4.国内外の学会で成果を発表する。

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 研究成果

    (3件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] Adaptive optics microscopy with wavefront sensing based on neighbor correlation2023

    • 著者名/発表者名
      Noriaki Miura, Yusuke Ashida, Yuya Matsuda, Takatoshi Shibuya, Yosuke Tamada, Shuto Hatsumi, Hirotsugu Yamamoto, Ikumi Kajikawa, Yasuhiro Kamei, Masayuki Hattori
    • 雑誌名

      Plant and Cell Physiology

      巻: 64 号: 11 ページ: 1372-1382

    • DOI

      10.1093/pcp/pcad138

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 隣接相関波面計測を用いた顕微鏡補償光学系の性能向上に向けて2023

    • 著者名/発表者名
      松田侑也、三浦則明、澁谷隆俊、服部雅之、玉田洋介、梶川育見、亀井保博
    • 学会等名
      Optics & Photonics Japan 2023
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] Chloroplasts as the guide stars; possibility for the use of absorbing contrast with scene-based adaptive optics microscope2022

    • 著者名/発表者名
      Hattori, M., Tamada, Y., and Miura, N.
    • 学会等名
      Frist International Conference on Sensing and Imaging through Scattering and Fluctuating Field in Biology, Telecommunication, and Astronomy
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 国際学会

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公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

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