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異方性分光光散乱媒質に向けたナノポーラスシリコーンモノリスの研究

研究課題

研究課題/領域番号 22K04969
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分30020:光工学および光量子科学関連
研究機関九州大学

研究代表者

興 雄司  九州大学, システム情報科学研究院, 教授 (10243908)

研究分担者 吉岡 宏晃  九州大学, システム情報科学研究院, 准教授 (20706882)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
キーワードシリコーン / 低屈折率化 / ナノポーラス / ナノフォーミング / エマルジョン / 異方性光散乱 / 可変光散乱 / 光学素子 / マイクロバブル / 光学異方性 / 分光材料
研究開始時の研究の概要

透明なシリコーンゴムを利用したレンズや光デバイスを研究する。この際シリコーンゴムに非常に小さな泡やその中に液体を満たすことで、光の屈折効果を自由にコントローする方法を明らかにすることを目的とする。この方法が実現すると、将来的には、水と同じ屈折率を持つ透明ゴムを安価かつ大量に作成するための、原理的な技術を実現し、バイオ計測や農業応用などで、新しい応用が期待できる。

研究実績の概要

前倒しで1年目でサブミクロンの気泡生成に成功したため、本年度は気泡の直径制御と、そのばらつきを改善するための研究を行った。主に気泡生成メカニズムのモデリングを行うための調査研究を行った。
プロセスのはじめに、相当量(10%)の水を混合し、遊星撹拌でエマルジョンする方法では、エマルジョン後の高濃度の水泡の動きを、光学的に観察することが難しい。さらにPDMSでは水のエマルジョンは白化するため、光学観測は不可能である。そこでインクジェットを利用してミクロンサイズの水滴を少量ずつPDMSに注入して、その動きを顕微観察した。その結果、IPAの導入されている水泡は互いに反発することで再凝集が妨げられる様子を観測し、エマルジョンにおけるIPAの界面活性の効果としては電気的な再凝集防止が大きく寄与していることを実験的に明らかにした。これにより、エマルジョン作成時に十分に水泡を細分化することが重要で、それにはマトリクス(PDMS)の粘度が関連すると推測し、PDMSに揮発性溶媒であるトルエンを添加してエマルジョン化する方法を試みた。その結果、平均直径が僅かに減少し、さらに、細分化漏れした水泡が減少した。これにより、この方法は、水泡の小サイズでの均質化に効果があることを新たに発見した。これは、撹拌時にはマトリクス(PDMS+トルエン)の粘度が小さく、安定時にはトルエンの蒸発に伴い粘度が上昇することで、再凝集が更に抑えられる、という気泡生成モデルで説明できる。最後に、水エマルジョン化時にPDMSが白化する現象において、上述のモデルが明らかになってきたことにより、従来よりの解釈で説明できないことが示唆された。つまり「水(水蒸気)を含んだPDMSの白化には、ボイドに凝集した水泡が大きく関与する」という解釈は、本研究で示されている水泡の挙動と一致しない。これについては今後も調査・考察していきたい。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

初年度でサブミクロンサイズの気泡生成が確認されたこともあり、本年は生成気泡の直径の均一性を向上させること、およびその生成メカニズムのモデル化に注力した。さらに、これまで報告されていなかった揮発性溶媒の添加を試み、気泡サイズの安定に寄与することを初めて明らかにした。同時に、この発案の元となった、今年の成果であるエマルジョンプロセスのモデルについても、その有効性を補強するデータを得ることができた。以上の点において、十分に当初予定された目標を達成していると判断した。

今後の研究の推進方策

現状ではPDMSの白化が水による水疱形成が主要因でないことは明らかになったが、そのため、水を用いた液体の気泡部への導入についても問題が生じる。そこでエチレングリコールを用いて、液体導入を行っていく予定である。
また、低屈折率化についても補強する研究を行いたい。

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 研究成果

    (6件)

すべて 2024 2023

すべて 学会発表 (6件) (うち国際学会 2件)

  • [学会発表] ナノフォーミングによるフレキシブル異方性散乱PDMSの開発2024

    • 著者名/発表者名
      吉岡 優志、松崎 李空、吉岡 宏晃、興 雄司
    • 学会等名
      応用物理学会春期学術講演会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] ナノフォーミングによるPDMSの低屈折率化と光学特性2023

    • 著者名/発表者名
      吉岡 優志, 高越 大智, 竹田 晴信, 松崎 李空, 吉岡 宏晃. 興 雄司
    • 学会等名
      応用物理学会秋期学術講演会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] PDMSに分散したナノカプセルの生成と圧縮およびその光学特性2023

    • 著者名/発表者名
      松崎 李空, 高越 大智, 竹田 晴信, 吉岡 優志, 吉岡 宏晃, 興 雄司
    • 学会等名
      応用物理学会九州支部70周年記念学術講演会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] Anisotropic scattering properties of micro-/nano-foamed PDMS2023

    • 著者名/発表者名
      Yushi Yoshioka, Daichi;Takagoshi;Harunobu;Takeda, Hiroaki Yoshioka Yuji Oki
    • 学会等名
      CSI XLIII
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] ナノフォームPDMSの高効率作製と低屈折率・動的異方性光学媒質化の検討2023

    • 著者名/発表者名
      吉岡優志;松崎璃空;吉岡宏晃;興雄司
    • 学会等名
      レーザー学会研究会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] Anisotropic scattering properties of micro-/nano-foamed PDMS2023

    • 著者名/発表者名
      Yushi Yoshioka, Daichi Takagoshi, Harunobu Takeda, Hiroaki Yoshioka and Yuji Oki
    • 学会等名
      CSI XLIII / ASLIBS2023
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 国際学会

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公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

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