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Ho:LuLiF結晶を用いたTmファイバーレーザ端面励起パルスレーザの研究

研究課題

研究課題/領域番号 22K04978
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分30020:光工学および光量子科学関連
研究機関国立研究開発法人情報通信研究機構

研究代表者

青木 誠  国立研究開発法人情報通信研究機構, 電磁波研究所電磁波伝搬研究センター, 主任研究員 (40744652)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2024年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2023年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2022年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
キーワード固体レーザ / パルスレーザ / 差分吸収ライダー / 水蒸気 / 二酸化炭素 / Ho:LuLiF / Tmファイバーレーザ / ライダー / リモートセンシング
研究開始時の研究の概要

我々が日常社会生活を営むうえで、気象情報は最も重要な要素の一つである。近年、増加している極端気象に対する的確な防災減災対応のためにも、より多くの精度の高い気象データが求められている。レーザ光を用いたレーダーであるライダーは、このような多種多様な気象情報(風、水蒸気、温度、気体成分、大気微粒子など)を、広範囲に亘って高時間高空間分解能で取得することが可能な手段として有望視されている。本研究課題では、効率的かつ取り扱いが容易かつこのライダー観測に適したHo:LuLiF結晶を用いた次世代のTmファイバーレーザ端面励起パルスレーザの研究及びそれを用いたライダー装置の開発を行う。

研究実績の概要

2022年度に開発した伝導冷却型のレーザ励起モジュールに、調達したHo:LuLiFレーザロッド(a軸カット、Hoドープ率4%、長さ40 mm、直径4 mm)を組み込み、Ho:LuLiFレーザの発振実験を実施した。レーザモジュール単体での発振試験では、最大で平均出力9.24 W(30.8 mJ, 300 Hz)のQスイッチ出力が得られた。また、同様の条件で発振させた既存のHo:YLFレーザと比較した結果、約10%の出力の向上が確認できた。レーザ発振器内に複数個レーザモジュールを設置して出力の増加を図った結果、目標としてた平均出力を超える15.4 W(51.3mJ, 300Hz)のQスイッチ出力を得ることができた。
HITRANデータベースを用いてHo:LuLiFレーザのπ偏光発振波長である2053 nm付近の大気分子の吸収特性を明らかにし、観測に用いる波長を決定した。2053 nm付近には、水蒸気と二酸化炭素の吸収線が存在しているため、これらの気体の差分吸収観測が可能である。観測波長としては、それぞれ2053.338 nmと2053.180 nmを選択した。これらの波長は吸収断面積が大きく、その温度依存性や気圧依存性が極めて小さいことから、特に鉛直方向の観測に適している。風観測波長としては、大気透過率が高く水蒸気の差分吸収観測をした際に二酸化炭素の吸収の混入の影響を抑えられる2053.074 nmを選択した。
上記の研究に加えて、Ho:LuLiFレーザの発振波長を各観測に適した任意の波長に制御する手法の開発を実施した。複数のシード光源を切り替えてパルスレーザに光注入同期して波長を制御するための光スイッチシステムや、大気からの散乱光をヘテロダイン検波・AD変換した後に観測波長ごとに信号処理を行う信号処理装置の開発を行い、差分吸収計測の準備を進めた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

Ho:LuLiFレーザの開発に関しては、目標としてた平均出力を超える15.4 W(51.3mJ, 300Hz)のQスイッチ出力を得ることができ、順調に進捗した。HITRANデータベースを用いてHo:LuLiFレーザの発振波長付近の大気分子の吸収特性を明らかにし、観測に用いる波長を決定することができた。水蒸気と二酸化炭素の差分吸収計測を実施するために必要な光スイッチシステムや信号処理装置の準備も予定通りに進捗した。

今後の研究の推進方策

本研究課題を当初研究計画通りに遂行する。2024年度には、Hoレーザを送受光の光学系や信号処理系を整備したライダー装置用の観測コンテナに移植搬入して、観測試験を実施する予定である。多種多様な気象情報を広範囲に亘って高時間高空間分解能で取得することが可能な差分吸収ライダー技術を実証する予定である。

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 研究成果

    (11件)

すべて 2024 2023 2022 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (7件) (うち招待講演 1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] 大気環境情報のレーザーセンシング技術2024

    • 著者名/発表者名
      青木誠、岩井宏徳
    • 雑誌名

      月刊OPTRONICS

      巻: 43 ページ: 130-134

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 水蒸気の流れを捉える差分吸収ライダーの研究開発2023

    • 著者名/発表者名
      岩井宏徳、青木誠
    • 雑誌名

      電波技術協会報 FORN

      巻: 354 ページ: 42-45

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [雑誌論文] Evaluation of a coherent 2-μm differential absorption lidar for water vapor and radial wind velocity measurements2023

    • 著者名/発表者名
      Hironori Iwai and Makoto Aoki
    • 雑誌名

      Optics Express

      巻: 31 号: 9 ページ: 13817-13836

    • DOI

      10.1364/oe.485608

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] レーザセンシングで使われるレーザの基礎2023

    • 著者名/発表者名
      青木誠、岩井宏徳
    • 学会等名
      第41回レーザセンシングシンポジウム
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] 2μm帯コヒーレントライダーの要素技術開発 その32023

    • 著者名/発表者名
      青木誠、岩井宏徳
    • 学会等名
      第41回レーザセンシングシンポジウム
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 大気環境情報のレーザーセンシング技術2023

    • 著者名/発表者名
      青木誠
    • 学会等名
      情報通信研究機構 新技術説明会 2023(NICT/JST共催)
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 2μm帯水蒸気ライダーのためのシードレーザー開発2023

    • 著者名/発表者名
      青木誠、岩井宏徳
    • 学会等名
      第32回(2023年度)日本赤外線学会研究発表会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 2μm帯コヒーレントライダーの要素技術開発 その22022

    • 著者名/発表者名
      青木誠、岩井宏徳
    • 学会等名
      第40回レーザセンシングシンポジウム
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] 2μm帯コヒーレントライダーのためのレーザー開発2022

    • 著者名/発表者名
      青木誠、岩井宏徳
    • 学会等名
      第31回日本赤外線学会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] 2μm帯コヒーレントライダーのためのシードレーザー開発2022

    • 著者名/発表者名
      青木誠、岩井宏徳
    • 学会等名
      第20回赤外放射応用関連学会等年会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [備考] 水蒸気の流れを捉える差分吸収ライダーの開発に成功

    • URL

      https://www.nict.go.jp/press/2023/04/25-1.html

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書

URL: 

公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

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