研究課題/領域番号 |
22K05004
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分31020:地球資源工学およびエネルギー学関連
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
木下 尚樹 愛媛大学, 理工学研究科(工学系), 准教授 (30263958)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 低温下 / 岩石 / ガス浸透性 / 液体浸透性 / 氷飽和度 / 天然ガスハイドレート / 低温貯蔵 / 岩盤タンク / 流体浸透 |
研究開始時の研究の概要 |
天然ガスハイドレート(NGH)は大気圧下-20℃で安定することから,長期備蓄を想定し,石油等で採用されている岩盤タンク備蓄方式を想定する.既往の研究により,岩盤中に存在する亀裂が岩盤タンクの堅牢性や機密性能に影響を及ぼすことがわかっているため,低温下における岩石亀裂の気・液浸透特性,力学・変形特性を実験により精密に評価,把握し,それらを踏まえた岩盤タンクの挙動,堅牢性,気密性評価を数値解析により実施する.低温物質の岩盤タンク備蓄は世界的にも設計・評価法は確立しておらず,岩盤タンク設計のための指針を示すことは非常に意義のあるものである.
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研究実績の概要 |
天然ガスハイドレートを地下岩盤タンク内に備蓄する新たな技術の確立のためには,低温下における岩盤の気・液浸透特性,力学・変形特性を精密に定量評価,把握することが必要であり,それらを踏まえた,岩盤タンクの挙動,堅牢性,気密性の評価技術が不可欠となる。 本研究では,先行研究で実施されていない実施されていない低温下での多孔性岩石のガス浸透特性と液体浸透特性を室内実験により評価する。本年度は摂氏マイナス20度において,窒素ガスを用いてガス浸透実験を行い,浸透率を測定した。また,その際には供試岩石の氷飽和度を変化させ,浸透率の変化を観測した。その結果,浸透性は先行研究などで求められた結果と調和的であり,実験測定方法の妥当性が図られた。さらに,浸透流体にはシリコンオイルを用いて,低温下液体浸透実験を試行し,実験観測方法の課題について検討した。 低温下のガス浸透特性は常温の場合と比較して低下する傾向にある。これは,微細空隙が低温収縮に伴い小さくなるためと考えられる。また,氷飽和度の増加に伴い,ガス浸透性は低下するが,特に氷飽和度が50%を超えると急激に浸透性が低下する現象がみられた。また,80%程度になると,ガス浸透性が失われる結果となった。これは,浸透路が選択的に閉塞される現象が発生しているものと考えられるが,詳細については今後検討する必要がある。また,液体浸透性についても同様の現象がみられるか検証が必要である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は摂氏マイナス20度において,窒素ガスを用いてガス浸透実験を行い,浸透率を測定した。また,その際には供試岩石の氷飽和度を変化させ,浸透率の変化を観測した。その結果,浸透性は先行研究などで求められた結果と調和的であり,実験測定方法の妥当性が図られた。
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今後の研究の推進方策 |
浸透流体にはシリコンオイルを用いて,低温下液体浸透実験を試行し,実験観測方法の課題について検討する。その上で,ガス浸透性と液体浸透性の差異について検証を行う。この場合はクリンケンバーグ効果や圧力等の実験条件の適用範囲,低温の影響などについて検証する。
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