研究課題/領域番号 |
22K05022
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分32010:基礎物理化学関連
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研究機関 | 名古屋大学 (2023) 京都大学 (2022) |
研究代表者 |
東 雅大 名古屋大学, 情報学研究科, 教授 (20611479)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2025年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 光捕集アンテナ / 光エネルギー伝達 / 分子シミュレーション / 理論計算 / 超分子複合体 / 光合成超分子複合体 / 光エネルギー伝達機構 / 反応中心 |
研究開始時の研究の概要 |
光合成系における最初のステップは、光捕集アンテナと呼ばれるタンパク質による光エネルギーの吸収および反応中心への伝達である。光捕集アンテナは、内部に含まれる色素の励起エネルギーの大きさと揺らぎを適切に制御することで、高効率なエネルギー移動を達成しているが、その詳細はよく分かっていない。これまで我々は独自の高精度理論解析手法を用いて、光捕集アンテナ内のエネルギー移動の解析を行ってきた。本研究課題では、その研究を発展させ、光捕集アンテナから反応中心への高効率な光エネルギー伝達機構を分子論的に明らかにする。
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研究実績の概要 |
光合成系における最初のステップは、光捕集アンテナと呼ばれるタンパク質による光エネルギーの吸収および反応中心への伝達である。光捕集アンテナは、内部に含まれる色素の励起エネルギーの大きさと揺らぎを適切に制御することで、高効率なエネルギー移動を達成しているが、その詳細はよく分かっていない。本研究課題では、光捕集アンテナから反応中心への高効率な光エネルギー伝達機構を分子論的に明らかにすることを目的とする。本年度は、昨年度に引き続き、主に紅色細菌の光捕集アンテナLH2の吸収スペクトルの解析を行った。LH2はB800とB850と呼ばれる吸収エネルギーの異なる2つの色素リングを内包するが、色素が重なったB850の吸収エネルギーを分子シミュレーションにより再現するのは困難だった。本年度は分子シミュレーションの結果を丁寧に解析し、色素バクテリオクロロフィルのアセチル基のねじれ角の制御が重要であり、タンパク質環境を適切に再現することが重要であることが明らかになった。現在、テスト計算では良好な結果を得ており、引き続き解析を進める予定である。また、LH2の集合体を解析するための粗視化モデルの開発も進めている。さらに、これまで研究を進めてきた色素バクテリオクロロフィルのS2状態からS1状態への超高速緩和ダイナミクスの解析も論文としてまとめた。分子軌道の解析や非断熱分子動力学シミュレーションにより配位子が緩和ダイナミクスを高速化することを明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は光捕集アンテナLH2の吸収スペクトルの解析を進め、また色素の励起状態緩和ダイナミクスの解析も進めた。研究はおおむね順調に進行していると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
今後も引き続き、光捕集アンテナの吸収スペクトルの解析を進める。その後、光エネルギー伝達の機構解析に進み、光捕集アンテナ集合体の解析にも展開する予定である。
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