• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

液滴レーザーの開発と液滴表面ダイナミクス解明への応用

研究課題

研究課題/領域番号 22K05026
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分32010:基礎物理化学関連
研究機関学習院大学

研究代表者

河野 淳也  学習院大学, 理学部, 教授 (90557753)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
キーワード液滴レーザー / 共振増強 / 角度分布 / 回転楕円体ミラー / 外部共振器
研究開始時の研究の概要

本研究では,液滴内で共振増強した光を外部共振器と同期し,2重の増強を経た直進性のあるレーザー光を得る。そのシステムを用いて,微弱ラマン散乱光の増幅と検出による微量分子の高速,高感度検出法を確立する。まず,色素溶液などの高利得液滴を用いて2重共振増強液滴レーザーを開発する。その技術を用いて液滴表面の反応過程をミリ秒の分解能で観測する。

研究実績の概要

本研究は,溶液表面分子の構造とその変化を高速,超高感度に観測することを目的とする。そのため,液滴表面の分子からの発光を液滴共振,回転楕円体ミラーを用いた外部共振器とのカップリングによって2重に増強し,コヒーレント光(レーザー)として取り出す,液滴レーザー技術を開発する。2022年度までに回転楕円体ミラーによるフィードバック光学系の構築と基本性能の測定を行い,フィードバックによる液滴蛍光の2.6倍の増強を確認した。一方,回転楕円体ミラーによるフィードバック光は十分な集束が得られないことも新たに判明した。そこで,2023年度は液滴蛍光の角度分布を測定し,レンズとミラーによるフィードバック光学系を設計した。具体的には,以下の研究成果を得た。
(1)懸垂液滴蛍光の角度分布測定:フォトダイオードを用いた小型光検出器を設計・制作した。その検出器を懸垂液滴の回りに回転できるようにステージ上に設置した。液滴蛍光の強度をレーザー照射方向との角度を変えながら測定した。その結果,直径0.6 mmの懸垂液滴においては,90°おきに蛍光が強くなる角度が存在することがわかった。
(2)レンズ・ミラーによる外部共振器の構築:レーザー照射方向に対して90°おきにレンズ・ミラーによるフィードバック光学系を3つ設置し,外部共振器を構築した。レーザー照射方向にはフィードバック光学系が設置できないため,観測光学系と30°の角度をなす方向からレーザー光を照射する設計とした。
(3)外部共振器によるフィードバックの観測:濃度200 μMのローダミン6G/エチレングリコール溶液をキャピラリー先端からシリンジポンプで押し出し,懸垂液滴とした。液滴の側面にNd:YAGレーザーの第2高調波を照射し,共振増強光を生成した。蛍光画像の観測から,外部共振器によるフィードバックによる増強が観測できた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

3方にレンズ・ミラーを配置して構築した共振器の中で懸垂液滴にレーザー光を照射し,液滴共振増強蛍光を発生させることに成功した。また,共振器によるフィードバックによる蛍光の増強が観測できた。しかし,蛍光の増強は現在のところ約1.1倍にとどまっており,レーザー発振を観測するには至っていない。

今後の研究の推進方策

(1)外部共振器の最適化:前年度に開発した外部共振器について,光学素子の配置,位置調整を精密化し,高効率化を目指す。
(2)液滴レーザー用の微小液滴ノズルの開発:懸垂液滴よりも小さなサイズの液滴によるレーザー開発を念頭に,液滴ノズルの開発を行う。必要性能としては,(1)レーザーとの同期,(2)共振器への導入を可能にするための先端の先鋭化,(3)ノズル詰まり対策のための交換容易性がある。これらを実現するため,キャピラリー先端を加工して液滴噴出孔を作成し,それをピエゾ駆動することによる液滴ノズルを設計・開発する。
(3)自作液滴ノズルを組み込んだ液滴レーザーの設計:自作ノズルからにレーザーを照射したときの蛍光の角度分布を測定し,最適な外部共振器を設計する。その共振器を用いて液滴レーザーの開発を目指す。

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] Cavity-Enhanced Fluorescence in Colliding Droplets of Rhodamine 6G Aqueous Solutions2023

    • 著者名/発表者名
      Kamoshita Aya、Kohno Jun-ya
    • 雑誌名

      The Journal of Physical Chemistry A

      巻: 127 号: 36 ページ: 7605-7611

    • DOI

      10.1021/acs.jpca.3c03667

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

URL: 

公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi