研究課題/領域番号 |
22K05030
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分32010:基礎物理化学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
小板谷 貴典 京都大学, 理学研究科, 准教授 (60791754)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2023年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2022年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
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キーワード | 二酸化炭素 / 大気圧光電子分光 / 偏光変調赤外反射吸収分光 / 電気化学 / メタノール合成 / オペランド分光 / 不均一触媒反応 |
研究開始時の研究の概要 |
この研究では、電気化学反応において電極触媒表面でどのような反応が起こるのかを、赤外反射吸収分光法および硬X線光電子分光法を用いてその場観測を行うことにより明らかにする。得られた実験的知見に基づいて、固―液界面における電気化学反応の反応機構解明を目指す。電気化学反応系としては二酸化炭素の電気化学的還元を扱う。安定な二酸化炭素分子を効率的に転換するための方策として、電気エネルギーなどの外部エネルギーを導入することが考えられる。本研究では固―液界面における二酸化炭素電気化学反応のオペランド分光測定環境を構築して、電極表面での二酸化炭素分子の還元反応過程の詳細を明らかにすることを目的とする。
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研究実績の概要 |
本研究課題では電極触媒表面で起こる反応を赤外反射吸収分光法および硬X線光電子分光法を用いてオペランド観測を行う。得られた知見に基づいて、固―液界面における電気化学反応の反応機構解明を目指す。モデル電気化学反応系として二酸化炭素の電気化学的還元を扱う。二酸化炭素分子は安定であり反応活性化エネルギーが高いため、電気エネルギーなどの外部エネルギーを導入することにより低温で効率的に反応を進行させることができると期待される。本研究では固―液界面における電極触媒反応のオペランド分光測定環境を構築して、電極表面での二酸化炭素分子の還元反応過程の詳細を明らかにすることを目的とする。 本年度はまず、銅触媒表面上での二酸化炭素の反応性を明らかにするために、単結晶銅試料および銅酸化亜鉛系メタノール合成触媒の固-気界面における反応のオペランド分光研究を実施した。単結晶銅試料では、面方位によって著しい反応性の違いがあり、Cu(110)表面やステップサイトで二酸化炭素の水素化が起こりやすいことが明らかになった。また、メタノール合成触媒のオペランド分光では触媒表面に吸着したフォルメート(HCOO)量とメタノール生成速度に相関があることが分かり、フォルメートがメタノール合成の反応中間体であることが示された。 一方、前年度に立ち上げた液体電解質-電極界面をその場観測できる光電子分光システムを用いて、電気化学的な二酸化炭素還元反応のその場光電子分光測定を実施した。作用極に多結晶銅板、電解液として炭酸水素カリウム水溶液を用いて測定を行い、銅電極表面に吸着した反応中間体の検出、および界面に形成される電気二重層中の水およびイオン種の電子状態計測に成功した。とりわけ電極界面におけるイオンや反応中間体のXPSによる定量評価が可能になった点は、電気化学反応の機構に関する新たな知見をもたらす成果であると言える。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2023年度は固-気界面および固-液界面における二酸化炭素の反応に関してオペランド分光測定を行った。得られた成果はすでに学会発表を行い、複数の学術誌に出版されている。また、当初の目的である二酸化炭素の電気化学的還元反応のその場分光測定もすでに達成しているため、研究はおおむね順調に進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度は二酸化炭素が関わる電気化学電極反応をその場光電子分光測定した。今年度は今までに得られている成果をもとに論文執筆を進める。 また、本年度は開発したオペランド光電子分光測定システムをさらに活用して、良く規定された反応条件のもと二酸化炭素電気化学還元のオペランド分光測定を実施してゆく。反応の表面構造依存性を明らかにするために、電極として単結晶銅試料を用いて実験を行う。これによって、表面構造が規定された電極表面での二酸化炭素の反応を調べることが可能となり、反応機構について更なる詳細な知見が得られることが期待される。
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