研究課題/領域番号 |
22K05033
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分32010:基礎物理化学関連
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
大鳥 範和 新潟大学, 自然科学系, 教授 (20272859)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 溶融アルカリハロゲン化物 / 輸送係数 / イオン伝導率 / 分子動力学法 / イオン性液体 / イオン間交差項 |
研究開始時の研究の概要 |
陽・陰イオンの質量とイオン間相互作用が等しい系(対称系)を基準物質として、これに質量と相互作用の差異(非対称性)を表す変数を導入し、各変数の応答として交差項の変化を調べて、交差項を各変数によって定式化する。この結果に基づいて、イオン伝導率に関わる、NE 式および Walden 則の破れや内部移動度および輸率などの諸挙動とそれらの物質による差異の、それぞれ一元的な理解を目指す。
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研究実績の概要 |
単純な溶融アルカリハロゲン化物の単成分系について、実在系および質量とサイズの等しいモデル系のイオン間の自己相関項と交差項について、質量および充填率の依存性を評価した。LiI-KIの混合系をベースとして、すべての陽イオンと陰イオンは質量、サイズおよび相互作用が等しく、符号だけが異なるポテンシャル関数系を構築し、これを参照系(基準)として、陽イオンと陰イオン間に質量の差異を導入し、イオン伝導率および内部移動度を構成するイオンの変位の自己相関項と各交差項に及ぼす効果を分子動力学法により独立に評価した。その結果、質量の差異あるいは総質量の変化に対する自己相関項と各交差項のイオン質量依存性が、電荷のないLennard-Jonesモデルによる単純液体の質量依存性と定性的に等しく、その定量的な差異も、温度の違いに比例(縦軸のスケールが10倍異なる)するのみであることを明らかにした。すなわち、イオン伝導の質量依存性の定性的挙動は電荷の有無に関係しないことがわかった。特に、イオン間交差項のような複雑な物理量において、質量効果が電荷とdecoupleすることを意味する重要な知見である。これらの結果に基づいて、自己相関項および交差項の質量依存性が、自己拡散係数と同様の表式で表現できることがわかった。また、陽イオンに対する陰イオンの自己拡散係数の比の陽イオンに対する陰イオンのサイズ比の変化について調べたところ-0.5乗に比例することがわかった。一方、電気伝導率は自己拡散係数とは異なり、イオンサイズ比に依存しないことが示された。さらに、イオンサイズ比に対するHaven比の変化と、イオンサイズ比に対する陽イオンと陰イオンの自己拡散係数の和の変化を調べた結果に基づいて、イオンの座標の変位の自己相関項と相互相関項の変化が互いに相殺した結果、電気伝導率がイオンサイズ比に依存しないと結論された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
「研究実績の概要」欄に記載のとおり、本課題申請書の「1 研究目的、研究方法など」の「(4)本研究で何をどのように、どこまで明らかにしようとするのか」の欄に記載した1年目に実施する内容をほぼ実施できていると判断されるため。
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今後の研究の推進方策 |
令和5年度も、本課題申請書の「1 研究目的、研究方法など」の「(4)本研究で何をどのように、どこまで明らかにしようとするのか」の欄に記載した2年目に実施する内容を、予定どおり行う。すなわち、2年目は、アルカリハロゲン化物の二成分混合系(LiI-KIとそのモデル系)について、イオン伝導率を構成する自己相関項と交差項の、イオン質量とサイズの依存性の詳細を調べる。すなわち、1年目で得た単元系の知見を基礎として、2種類の陽イオン間の差異に注目して研究を行う。その結果に基づいて、イオン伝導率、部分イオン伝導率、輸率の定式化を行う。
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