研究課題/領域番号 |
22K05053
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分32020:機能物性化学関連
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
岡 芳美 広島大学, 持続可能性に寄与するキラルノット超物質国際研究所, 研究員 (30470115)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | ラジカルペア / フラビンタンパク質 / 微弱磁場センシング / DNA構造体 / 連結分子 |
研究開始時の研究の概要 |
「青色光受容体タンパク質クリプトクロムが磁気センサーとして働くのはなぜか?どのようにすれば人工的に(できるだけシンプルに)構築できるか?」という「問い」に対する分子化学的解明を実験的に示すことを目指す。電子アクセプターとドナー・ユニットを連結するDNA構造体および連結分子に着目し、フラビン-アミノ酸の配置を精密に設計、構築する。生体と同様の反応過程(1重項状態を前駆体とするラジカルペア形成過程)の実現、最終的な(3重項)ラジカルペアの長寿命化の実現を達成する。動物の磁気受容の解明は、感覚生物学の最重要課題の1つであり、本課題でクリプトクロムに関する構造-磁気センシング機能の相関を明らかにする。
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研究実績の概要 |
「生体のクリプトクロムが磁気センサーとして働くのはなぜか?どのようにすれば人工的に(できるだけシンプルに)構築できるか?」という「問い」に対する分子化学的解明を実験的に示すことを目的とする。本研究では、クリプトクロム・磁気センサーの模倣、設計、精密合成のアプローチをとり、生体系と同じ反応過程を辿る、すなわち微弱磁場により1重項-3重項ラジカルペア間の転移が効率的に起こるモデルシステムの構築、最終的な3重項ラジカルペアの長寿命化の実現を目指す。また、その人工システムを用いて、構造-磁気センシング機能の相関を明らかにすることを目指している。 p-フェニルアミド・リンカーで連結したフラビン-Trp連結分子についての研究成果を雑誌論文として纏めることができた(研究発表欄に記載)。この分子は、結晶構造解析と時間分解電子スピン共鳴(TREPR)測定における室温での溶液状態の解析から、フラビン環とTrp環の中心間距離は、フラビンタンパク質で検出されたラジカルペアで報告されているのと同様の範囲(10-20 Å)であることがわかった。蛍光消光とTREPR測定により、フラビンとTrpの間の青色光誘起電荷分離の反応ダイナミクスを示し、1)分子内相互作用と分子間相互作用、特に2)1重項前駆体と3重項前駆体の競合について実験結果を基に考察した。溶液中では(主に分子内の)Trpからフラビンへの光誘起電子移動が主に1重項前駆体を介して進行する(しかし短寿命)。3重項前駆体を介して生成されたラジカルペアは、マイクロ秒オーダーで持続する(しかし遅い項間交差のため、わずかな3重項励起子しか生成しない)可能性が示唆された。 上記の結果を基に、1重項ラジカルペアの長寿命化(電荷再結合を抑制)を満たすようなリンカー構造をとる連結分子を合成した。その光誘起電子移動反応については、評価を進めているところである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
対象化合物系の有機合成がおおむね順調に進展している。合成後の化合物の評価も問題なく進められている。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き、対象分子系(フラビン-Trp連結分子およびフラビンとTrpユニットを含むDNA構造体)に関する合成と物性評価を進める予定である。
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