研究課題/領域番号 |
22K05057
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分32020:機能物性化学関連
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研究機関 | 九州保健福祉大学 |
研究代表者 |
内田 太郎 九州保健福祉大学, 薬学部, 講師 (70581643)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 表面増強赤外分光 / 電気化学的還元 / 二酸化炭素 / 電極触媒 / DFT計算 |
研究開始時の研究の概要 |
地球温暖化や化石燃料枯渇の解決のため、現在、二酸化炭素の資源化技術研究が精力的に行われている。その中でも電解合成は大型の設備は必要なく、電気を用い温和な条件で二酸化炭素の還元が可能であるが、効率や反応選択性に問題がある。最近、一部の電極に吸着した有機分子が二酸化炭素を高効率にメタノール等に還元しうることが報告されているが、その反応機構はこれまで明らかにされていない。そこで、本研究課題では、本反応機構を分光学的手段および計算化学的手段を用いて解明し、そこから得られる知見をもとに「持続可能な開発目標」に貢献しうる高活性な電極触媒の設計に役立て、実証することを目指す。
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研究実績の概要 |
初年度である本年度は、手始めに既に現象論が報告されているピリジンによるPt電極でのCO2のメタノールへの電気化学的還元反応のメカニズム解明を試みた。電気化学測定と分光測定の同時測定による反応の追跡を行ない、その結果ならびにDFT計算の結果とを比較検討を行った。実験結果から、CO2還元反応中では、ピリジン、CO、もしくは水素原子と観測される分子種が電極表面で観測された。これらをそれぞれPtクラスター上に吸着させたもののDFT計算を行い、得られたスペクトルと実験で得られたスペクトル比較したところ、吸着物質がピリジンではない可能性が示唆された。そこで、現在、実験条件および計算条件を変えながら、まずは実験で観測された中間体の解析を行なっている。 本実験系でもすでに反応解析が複雑であり、他の有機分子を用いたCO2還元反応の反応機構の議論はその場測定の結果のみでは進めることが難しいことが示唆された。分子によるCO2の還元は、有機分子が電気化学的に水から水素を引き抜き、引き抜いた水素を分子内もしくは表面を介してCO2と反応させることにより生じると考えられる。そこで、CO2の電気化学的還元をより単純化させた、有機分子による水からの電気化学的な水素原子の引き抜き過程の促進機構についても実験・計算を併用して解析を並行して行なっている。 上記のシミュレーションでは、系内に金属を入れると計算コストが増加する。現在はコストを抑えるために金属クラスターを電極モデルとして計算に用いている。金属表面に全ての中間体を入れないとシミュレーションで実験結果を再現できない場合、クラスターサイズを大きくしないといけなくなるため、シミュレーションの方法自体についての検討も行なっている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初は現在行なっている実験系での反応を分子レベルで明らかにし、その他活性のある化合物に関しても明らかにする予定であったが、上記のように明らかにできていないため。
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今後の研究の推進方策 |
R5年度では、研究業績の概要でも触れたが、現在行なっている実験系について実験化学・計算化学的手法を駆使し詳細に解析し、反応機構を明らかにする。並行して有機分子による水からの水素原子の引き抜きを促進する反応について、こちらも過去に速度論的な観点から調べられたものがあるので、それらをもとに電気化学・赤外の同時測定を行うことで分子レベルで反応機構を明らかにし、CO2還元促進反応の解析に役立てる。
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