研究課題/領域番号 |
22K05059
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分32020:機能物性化学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
朝倉 大輔 国立研究開発法人産業技術総合研究所, エネルギー・環境領域, 上級主任研究員 (80435619)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 固体酸化物形燃料電池 / 遷移金属酸化物 / 電子状態 / 軟X線分光 / 空気極 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、放射光軟X線分光を駆使して、固体酸化物形燃料電池(SOFC)材料の特性向上に向けた電子状態の解明を行う。主にSOFC空気極の材料の価電子帯と伝導帯を元素選択的・電子軌道選択的に明らかにする。元素選択的に遷移金属元素の価数を判定したり、酸素2p軌道の様子を詳しく調べることで、SOFCの主な性能改善のポイントである過電圧の低減、電流密度の上昇等に資する電子状態の知見を得ることを目的とする。
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研究実績の概要 |
本研究課題では、コジェネレーションシステムとして実用の進んでいる固体酸化物形燃料電池(SOFC)のさらなる性能向上を目的として、主に空気極(正極)材料の電子状態を放射光軟X線分光を用いて詳しく調べ、電子状態の観点から既存材料における酸化物イオンの伝導の様子や酸化還元反応の解明に取り組んでいる。 SOFCの空気極材料であるLa1-xSrxCo1-yFeyO3-d (LSCF)について、電解質に用いるCe1-xGdxO2-d (GDC)とのナノコンポジット化を行うと、電極性能が向上することが知られている。これまでに電子顕微鏡観察などの手法を用いた界面構造の確認なども行われているが、2022年度は、このLSCF/GDCナノコンポジットとLSCF単体の試料に対して軟X線吸収分光測定を実施し、元素選択的に電子状態の差異を詳しく調べた。LSCF単体の試料と比べると、ナノコンポジット試料のCoの価数が低くなっており、この電子状態の差異が活性に寄与している可能性が判明した。Feについては、価数は変わっていないものの、Feと周辺のOの配位環境がLSCF単体の場合から若干変化していることが分かり、局所構造に与えるナノコンポジット化の影響を確認できた。これらのCoおよびFeの結果に対して、電荷移動多重項計算というスペクトル解析を行っているところである。計算結果から、Feのスペクトルの差異については、結晶場分裂の大きさが違うことに起因することが確認できている。OとGDCのCeについても同様の測定を行っており、関連試料のスペクトルなどを参考にして検討を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画通り、LSCF系の材料に対して放射光軟X線吸収分光を用いた電子状態解析を実施し、良好な結果を得ることができた。これまでSOFC分野であまり行われていなかった軟X線分光とスペクトル計算を行うことで新規な知見が得られてきている。
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今後の研究の推進方策 |
今後は組成などを変えた同系統の試料の測定や、軟X線吸収分光以外の手法、例えば光電子分光を用いた解析に着手していく。さらに、高温環境下やガス圧制御下でのオペランド測定の開発について検討を行う。また、得られた成果については、論文発表や学会発表を進めていく。
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