研究課題/領域番号 |
22K05076
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分33010:構造有機化学および物理有機化学関連
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研究機関 | 群馬大学 (2023) 東京大学 (2022) |
研究代表者 |
堂本 悠也 群馬大学, 大学院理工学府, 准教授 (50790995)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 自己集合 / ナノ空間 / アセチレン / 銀錯体 / 分子トポロジー / ナノ構造 / ナノマテリアル / 超分子錯体 / 不飽和結合 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、金属-不飽和結合間のπ配位相互作用を新たな自己集合駆動因子として活用した、複雑かつ巨大なナノ構造の構築制御と応用を目指す。従来広く用いられる含窒素複素環やカルボキシレートに基づく相互作用と比べると、π配位の結合力や方向規定性は単独では弱い。この点を逆手にとり、緩やかで柔軟な構造規定作用を発揮する配位ドナーとして多数集積、あるいは強い配位と協働させることで、一義的ナノ構造の超精密制御を可能とする。これにより、ナノサイズ空孔性分子(ナノ空孔)を中心とした物質・材料における高度な構造複雑性および新奇機能を創出する。
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研究実績の概要 |
本研究は、金属-不飽和結合間のπ配位相互作用を新たな自己集合駆動因子として活用した、複雑かつ巨大なナノ構造の構築制御と応用を目指したものである。従来広く用いられる含窒素複素環やカルボキシレートに基づく相互作用と比べると、π配位の結合力や方向規定性は単独では弱い。この点を逆手にとり、緩やかで柔軟な構造規定作用を発揮する配位ドナーとして多数集積、あるいは強い配位と協働させることで、一義的ナノ構造の超精密制御を可能とする。これにより、ナノサイズ空孔性分子(ナノ空孔)を中心とした物質・材料における高度な構造複雑性および新奇機能を創出することを目指している。今年度の研究では、 以下の項目について検討を行った。 (i) 高度に絡まった構造をもつナノ空孔分子群の精密構造制御 代表者が開発している(M3L2)n型ナノ空孔のアニオン刺激に基づく逐次構造変換のさらなる展開、およびゲスト分子との分子間相互作用について、側鎖導入による立体効果を用いた自己集合経路の微細調節を可能とした。また、配位子の幾何学構造改変による新たなトポロジーの産出も引き続き検討した。 (ii) 昨年度見出した、アセチレン協働配位を応用した金属ナノクラスターを構成成分とするナノ空間の構築についてさらに検討を進めた。用いる配位子に新たに有機π電子系であるカルバゾールを組み込んだところ、銀ナノクラスターを3種類の異なる形式で3次元ナノ集積した単結晶を作製することができた。今後はナノ空間において3次元集積されたナノクラスターとカルバゾールの光物理的性質を組み合わせた特性発現などについて検証を進める。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初計画したナノ空孔分子群の精密構造制御について有用な新知見となる結果を得ていることに加え、当初は予想していなかったナノクラスターを構成成分とする3次元ナノ空間の構築へも応用が進み、今後のさらなる展開に期待がもてる結果となったため。
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今後の研究の推進方策 |
前年度までに得られた結果をもとに最終年度では、成果発表に向けたデータの質の向上(放射光を用いたX線結晶構造解析など)に務めるとともに、次年度以降の次なる研究展開へと繋がる検討を行いたい。
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