研究課題/領域番号 |
22K05087
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分33010:構造有機化学および物理有機化学関連
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研究機関 | 阿南工業高等専門学校 |
研究代表者 |
大谷 卓 阿南工業高等専門学校, 創造技術工学科, 准教授 (70339109)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2025年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | ヘリセン / 円偏光発光材料 / 環化反応 / パイ電子系化合物 / キラル化合物 |
研究開始時の研究の概要 |
次世代の有機3Dディスプレイの開発には,青,緑,赤の優れた円偏光発光材料の開発が必要です。しかし、優れた円偏光発光特性を発現する分子のデザインの指針については理論からの研究は進んでいますが、実験的な検証が立ち後れています。本研究では超原子価ヨウ素試薬を用いたN-H/C-Hカップリングを鍵反応として、縮環数の多い高次ヘリセンの合成法を開発します。その後、類縁体化合物を網羅的に合成して,円偏光発光特性に関するデータを集積します。合成困難な黄色から赤色の円偏光を発するヘリセンも合成し、優れたCPL特性を示すヘリセンの分子デザインを理論と実験の両面から明らかにします。
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研究実績の概要 |
ヘリセンは円偏光発光(CPL)材料として最も有望であり、尺度となる異方性因子(glum値)において、有機化合物として非常に高い0.03を示す例も知られています。理論計算によればヘリセンの縮環数が増えるとglum値も増加し、[50]ヘリセンでは0.09にまで向上することが予想されています。しかし、理論と実験の剥離は大きく、多数の[7]ヘリセンglum値の測定に対して、[9]ヘリセンですらCPL特性を評価している論文は4例しかなく、環数の増加によりglum値が増加した例はほとんどありません。本研究では、申請者が開発した超原子価ヨウ素試薬を用いたN-H/C-Hカップリングを鍵反応として、縮環数の多い高次ヘリセンの合成法を確立してます。その後、類縁体合成の容易さを生かしてライブラリーを構築してキロプティカル特性に関するデータを集積することを目的とします。合成困難な黄色から赤色の円偏光を発するヘリセンも合成し、優れたCPL特性を示すヘリセンの分子デザインを理論と実験の両面から明らかにする予定です。 市販品である2,9-ジクロロフェナントロリンとアニリン誘導体から、超原子価ヨウ素試薬による酸化的NH/CH カップリングを鍵反応とすることにより、わずか2 段階でポリアザ[7]ヘリセンの合成が可能となることを既に報告しています。本合成法を高次ヘリセンの合成に適用するため、アニリン誘導体として3-アミノフェナントレンあるいは3-アミノベンゾ[c]フェナントレンを用いて環化前駆体を合成後、酸化的NH/CH カップリングを行うことでテトラアザ[11]-及び[13]-ヘリセンの合成に成功しました。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
市販品である2,9-ジクロロフェナントロリンと3-アミノフェナントレンあるいは3-アミノベンゾ[c]フェナントレンを用いて環化前駆体を合成後、酸化的NH/CH カップリングを行うことでテトラアザ[11]-及び[13]-ヘリセンの合成に成功したから。
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今後の研究の推進方策 |
市販品である2,9-ジクロロフェナントロリンと3-アミノフェナントレンあるいは3-アミノベンゾ[c]フェナントレンを用いて環化前駆体を合成後、酸化的NH/CH カップリングを行うことでテトラアザ[11]-及び[13]-ヘリセンの合成に成功しています。原料に5環式ヘリセニルアミンをもちいることで[15]-ヘリセンを合成し、それらを光学分割しそのキロプティカル特性を明らかにする予定です。
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