研究課題/領域番号 |
22K05097
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分33020:有機合成化学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
河崎 悠也 九州大学, 先導物質化学研究所, 助教 (00781999)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | クリック反応 / DACN / 生体分子の複合化 / DACN-MMC |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では無触媒クリック反応素子DACNの側鎖に生体分子との複合化部位導入した多分子連結型DACNを開発するとともに,その応用を目指す.具体的には,カルボン酸誘導体と選択的に反応するDACN-NH,アミン類と選択的に反応するDACN-NHS ester,チオール類と選択的に反応するDACN-maleimide,ペプチド固相合成に適用する事ができるNFmoc-amino-acid-DACNを開発して,生体分子の複合化研究に取り組む計画である.さらには,DACN-MMCを用いた蛍光標識型クリック反応による生体分子の蛍光標識化法の開発にも取り組む計画である.
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研究実績の概要 |
本年度の研究では,昨年度開発した多分子連結型DACN(DACN derived Multi-Molecule Connector:DACNーMMC)を用いてペプチドとタグ分子との複合化について検討して良好な結果をえた. 1.DACNの側鎖にNHSエステル部位を有するDACN―NHS エステルを用いて,ネコメガエル属のカエルから単離されたペプチドであるフィサレミンとタグ分子(ビオチン)の複合化を行った.アセトニトリル・リン酸緩衝液混合溶媒中でフィサレミンに対してDACN―NHS エステルを作用させるとアミド化反応が迅速に進行して,DACN含有フィサレミンが収率良く得られた.これに対して,アジド化したビオチン誘導体を作用させるとクリック反応が進行して対応するフィサレミンービオチン複合化体を収率良く合成することに成功した.本法は,リシン残基を有するペプチドと多様な機能性分子との複合化法として応用が期待される. 2.DACNの側鎖にマレイミド部位を有するDACN―マレイミドを用いて,固相合成性によって調製したシステイン残基を有するペプチドと蛍光分子(Dansyl)の複合化を行った.アセトニトリル・リン酸緩衝液混合溶媒中でシステイン残基を有するペプチドに対してDACN―マレイミドを作用させるとアミド化が迅速に進行して,DACN含有ペプチドが収率良く得られた.これに対して,アジド化したDansy誘導体作用させるとクリック反応が進行して対応するペプチドーDansyl複合化体を収率良く合成することに成功した.本法は,システイン残基を有するペプチドと多様な機能性分子との複合化法として応用が期待される.
なお,これらDACNーMMCを用いて多くの研究者と共同研究を実施中である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本申請研究の課題の1つのであった多分子連結型DACNを用いた生体分子の複合化を達成した. また,もう一つの課題である,蛍光標識型クリック反応の開発においても,良好な結果が得られている.
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今後の研究の推進方策 |
蛍光標識型クリック反応を用いた生体分子の複合化について検討する. さらに,DACNの一つの窒素原子を酸素に変えたAOCNの開発を行う.AOCNはDACNよりも水溶性が高く,また10倍程度クリック反応性が高いと考えられる.
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