研究課題/領域番号 |
22K05110
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分33020:有機合成化学関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
山本 芳彦 名古屋大学, 創薬科学研究科, 教授 (60283412)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 含フッ素化合物 / 不斉環化反応 / 1,3-双極子環化付加反応 / DFT計算 / ビシクロ環化合物 / 不斉合成 / 複素環化合物 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、遷移金属触媒C-H活性化不斉非対称化法の開発として、フルオロアルキル基(Rf)と配向基(Dg)の置換したジアリールメタンのC-H官能基化に基づく不斉非対称化法を確立し、橋頭位にフルオロアルキル基を有する複素環化合物の合成へと展開する。さらに、フルオロアルキル置換ジヒドロピラノン合成ブロックの開発として、バイオマス由来原料であるフルフラールのフルオロアルキル化で得られるフルフリルアルコール誘導体のAchmatowicz反応により、2位にフルオロアルキル基を有するジヒドロピラノンの効率的合成法を確立し、さらに橋頭位にフルオロアルキル基を有する架橋複素環化合物の合成へと展開する。
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研究実績の概要 |
トリフルオロメチル基の置換したベンズヒドロールの水酸基をジメチルシリル化してアルコキシジメチルヒドロシランを合成した。得られたヒドロシランに対し、キラルなピリジンオキサゾリン(pyox)配位子を用いるイリジウム触媒反応を検討したところ、従来法で必要とされた水素受容体であるノルボルネンを必要とせず、良好な収率で分子内脱水素シリル化が進行した。そこで、pyox配位子をスクリーニングしたところ、インダンアミノアルコール由来のオキサゾリンが最適であり、ピリジン環6位にアルキル基を導入すると不斉非対称化により高い不斉収率を与えることが判明した。 フルフラールのトリフルオロメチル化によってフルフリルアルコール誘導体を調製し、そのAchmatowicz反応を検討し、2位にトリフルオロメチル基を有するジヒドロピラノンの効率的合成法を確立した。得られたジヒドロピラノンの6位水酸基をアセチル化した後、トリエチルアミンで処理してオキシドピリリウム種を発生させ、種々の親双極子化合物との(5+2)環化反応を検討した。その結果、橋頭位炭素上にトリフルオロメチル基をもつオキサビシクロ環化合物を良好な収率で得ることができた。さらに、トリフルオロメチル置換アミンのaza-Achmatowicz反応へと展開するため、まず、トリフルオロメチル基をもたないオキシドピリジニウム種の環化付加反応をDFT計算により解析し、その結果を実験的に検証した。その結果、N上に2-ピリミジル基をもつオキシドピリジニウムが良好な結果を与えることを確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
イリジウム触媒を用いるトリフルオロメチル置換ベンズヒドロール誘導体の不斉非対称化法の開発が順調に進んでおり、その一般性の検討も進行している。従来必要であった水素受容体が不要であることなど、反応機構に関する新たな知見も得られており、更なる展開が期待できる。 また、橋頭位にトリフルオロメチル基をもつオキサビシクロ環化合物の合成に関しても、フォトレドックス触媒を活用することで困難であったトリフルオロメチル置換フルフリルアルコールのAchmatowicz反応に成功し、トリフルオロメチル置換オキシドピリリウム種の発生を実現できた。さらに、橋頭位にトリフルオロメチル基をもつアザビシクロ環化合物の合成へと展開するための検討に入っており、含フッ素トロポン誘導体への展開が見込まれる。
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今後の研究の推進方策 |
イリジウム触媒を用いる不斉非対称化法の摘要範囲を明確にするため、様々な置換フェニル基や含フッ素置換基をもつベンズヒドロール誘導体を調製し反応性を検討する。さらに、トリフルオロメチル基をもたないベンズヒドロール誘導体の反応との比較実験やDFT計算を実施し、反応機構に関する知見を得る。本反応の有用性を示すために、生成物のシリル基を起点とする誘導を展開する。さらに、イリジウム触媒不斉非対称化法の開発で得られた知見を元に、トリフルオロメチル置換フェネチルアルコール類の光学分割や、トリフルオロメチル置換ベンズヒドロール類の不斉ボリル化反応へと展開する。 橋頭位にトリフルオロメチル基の置換したトロポン誘導体を合成するため、トリフルオロメチル置換オキシドピリジニウム種の発生法を検討する。まずは、フルフラールからトリフルオロメチル置換アミンを調製し、そのaza-Achmatowicz反応を検討する。これが成功しなかった場合には、トリフルオロメチル置換ピリジン-3-オールのN-アルキル化を経由するKatritzky法を検討する。トリフルオロメチル置換オキシドピリジニウム種の環化付加反応性を検討した後に、DFT計算を用いた解析を実施し実験結果と比較する
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