研究課題/領域番号 |
22K05127
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分34010:無機・錯体化学関連
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
古舘 英樹 金沢大学, 物質化学系, 准教授 (40332663)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 二核鉄(III)ペルオキソ錯体 / 酸化反応 / 可逆的酸素化 / C-H 結合活性化 / O-O 結合活性化 / 酸素原子移動反応 / 可逆的なO-O結合の開裂と再生 / 二核鉄(IV)オキソ種 / 二核鉄ペルオキソ錯体 / 酸素分子活性化 |
研究開始時の研究の概要 |
鉄あるいは銅酵素であるメタンモノオキシゲナーセ(MMO: 2Fe, nCu)やトルエンモノオキシゲナーゼ(TMO: 2Fe)は,酸素分子を活性化して,反応性に乏しいメタン(アルカン)やトルエン(アレーン)を水酸化する。これら酵素に類似した酸化能を有する錯体の創製は,環境やエネルギー問題と関連したGreen Chemistryを推進する上で重要である。本研究では,酸素分子活性化能を有する二核鉄錯体を創成し,アルカンおよびアレーンの酸化とその反応機構の解明を目指す.特に,二核鉄(III)ペルオキソ錯体の立体構造と分光学的性質(物性や電子状態)および酸化反応性の相関を明らかにし,反応機構を分子レベルで解明する。
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研究実績の概要 |
立体的に嵩高いジフェニルイミダゾリル基をサイドアームに有する二核化配位子(Ph-bpmp)の二核鉄(III)ペルオキソ錯体 [Fe2(Ph-bpmp)(PhCO2)]2+ (1) は,可逆的酸素化だけでなく,外部基質に対する酸化反応性も有することが昨年度の研究で明らかになっている。本年度は,架橋カルボン酸をより立体的に嵩高いトリフェニル酢酸に変換した二核鉄(III)ペルオキソ錯体 [Fe2(Ph-bpmp)(Ph3CO2)]2+ (2) を新たに合成し,架橋カルボン酸の変換が可逆的酸素化挙動,ペルオキソ錯体の熱的安定性,外部基質に対する酸化反応性などに与える影響について調べた。ペルオキソ錯体2の25度,アセトニトリル中における熱的安定性を電子スペクトルにより調べた結果,熱的安定性は,ペルオキソ錯体1と同程度であることがわかった。次に可逆的酸素化能を調べた。酸素化を25度,脱酸素化を25度または40度で行い,この酸素化-脱酸素化のサイクルにおける642 nmの吸光度の変化を電子スペクトルにより計10回測定した。その結果,10サイクル後,40度では13%程度分解が起こったが,25度では5%程度しか分解しなかった。一方,ペルオキソ錯体1は,40度では51%も分解してしまうことがわかった。このことから,立体的に嵩高い架橋カルボン酸への変換により,可逆的酸素化能が向上することがわかった。分解が抑制された理由としては,ペルオキソ錯体1と2の熱的安定性は同程度である事から,脱酸素化過程における分解が,立体的に嵩高い架橋カルボン酸により抑制されたと考えられる。続いてペルオキソ錯体2のxantheneのC-H結合に対する酸化反応性を調べた。その結果,ペルオキソ錯体1と比べて1/6程度酸化能が低い事がわかった。これは,外部基質がペルオキソ基に近づきにくくなった事によるものと考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
計画していた二核鉄(III)ペルオキソ錯体 [Fe2(Ph-bpmp)(PhCO2)]2+ (1) の可逆的O-O結合の再生と開裂に関するラマンスペクトルやメスバウアースペクトル測定,キノリル基を有するペルオキソ錯体の酸化反応性に関する研究が,学生の体調不良などによりあまり進んでいない。
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今後の研究の推進方策 |
二核鉄(III)ペルオキソ錯体 [Fe2(Ph-bpmp)(PhCO2)]2+ (1) の可逆的O-O結合の再生と開裂に関する証拠を得るためにラマンスペクトルやメスバウアースペクトルを測定する予定である。また,キノリル基を有するペルオキソ錯体の酸化反応性に関する研究を引き続き進める。
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