研究課題/領域番号 |
22K05128
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分34010:無機・錯体化学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
大竹 研一 京都大学, 高等研究院, 特定助教 (20834823)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 多孔性配位高分子 / 触媒 / ナノ空間化学 / 錯体化学 / 構造柔軟性 |
研究開始時の研究の概要 |
異なる多孔性配位高分子(PCP)同士の機能を協同的に発現させるような設計指針は未だに開発途上にあり、PCP-on-PCP型複合体による触媒特性の研究自体が現時点で殆ど知られていない。しかし、錯体化学を基盤とした材料であるPCPは、その骨格や細孔、ドメインサイズにおいて高い構造設計性を有しており、さらには均一な細孔を持つことによる高い基質選択制を付与することも可能である。本申請研究では、複数の分子の混合状態から選択的かつ順序良く基質を活性化して異なる反応を進行する、連携機能触媒能の開発を行い、その詳細な機構解明を通して、機能性ドメインを連携的に融合する基盤技術の確立を目指す。
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研究実績の概要 |
異なる多孔性配位高分子(PCP)同士の機能を協同的に発現させるような設計指針は未だに開発途上にあり、PCP-on-PCP型複合体による触媒特性の研究自体が現時点で殆ど知られていない。しかし、錯体化学を基盤とした材料であるPCPは、その骨格や細孔、ドメインサイズにおいて高い構造設計性を有しており、さらには均一な細孔を持つことによる高い基質選択制を付与することも可能である。本申請研究では、複数の分子の混合状態から選択的かつ順序良く基質を活性化して異なる反応を進行する、連携機能触媒能の開発を行い、その詳細な機構解明を通して、機能性ドメインを連携的に融合する基盤技術の確立を目指した。 2022年度は、PCP単体でのゲスト濃縮特性、ゲスト選択機能、及び触媒特性の開拓を目指し、複数の成果が得られている。触媒活性サイトとなるニトロキシルラジカルを骨格に導入した柔軟性PCPでは、骨格の柔軟性を利用した触媒反応の選択制の制御に成功した(Chem.Comm.2022)。また配位子のπスタッキングに由来する半導体特性を有するPCPでは、金属種の選択によるπスタッキング距離の制御により、ケミレジスタセンサ特性が変化することを見出した(Angew.Chem.Int.Ed.2023)。同材料は、混合金属種とすることで、NOxの還元触媒としても高い活性を有することが分かった(論文投稿準備中)。今後、開発したPCP触媒を基盤として、他のPCPとの複合化によるさらなる高機能化を目指していく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2022年度は、PCP単体でのゲスト濃縮特性、ゲスト選択機能、及び触媒特性の開拓を目指し、複数の成果が得られている。触媒活性サイトとなるニトロキシルラジカルを骨格に導入した柔軟性PCPでは、骨格の柔軟性を利用した触媒反応の選択制の制御に成功した(Chem.Comm.2022)。また配位子のπスタッキングに由来する半導体特性を有するPCPでは、金属種の選択によるπスタッキング距離の制御により、ケミレジスタセンサ特性が変化することを見出した(Angew.Chem.Int.Ed.2023)。同材料は、混合金属種とすることで、NOxの還元触媒としても高い活性を有することが分かった(論文投稿準備中)。
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今後の研究の推進方策 |
本申請研究では、複数の分子の混合状態から選択的かつ順序良く基質を活性化して異なる反応を進行する、連携機能触媒能の開発を行い、その詳細な機構解明を通して、機能性ドメインを連携的に融合する基盤技術の確立を目指す。2023年度においては、2022年度までに開発を行ったMOF触媒における詳細な構造解析及び、反応機構の検討を行うことによって、機能性のさらなる向上を図る。また、PCP空間機能の融合手法を開拓することで、触媒機能の向上を目指す。本研究によって種々のPCP-on-PCPの構造や合成手法の構造相関についての詳細な知見を得られれば、異なる機能を持つPCPを集積する新たな機能素子を作成する基盤技術ともなるため、将来の様々な材料開発に大きな波及的な影響をもたらすと期待している。
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