研究課題/領域番号 |
22K05132
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分34010:無機・錯体化学関連
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研究機関 | 大阪公立大学 |
研究代表者 |
森内 敏之 大阪公立大学, 大学院理学研究科, 教授 (60281119)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | バナジウム / 二酸化炭素 / ジシリルアミン / 第二級アミン / 対称尿素誘導体 / 非対称尿素誘導体 / バナジウム触媒 / 鉄触媒 / 常圧二酸化炭素 / 触媒的分子変換 / 尿素 |
研究開始時の研究の概要 |
クラーク数が高く、入手が容易なバナジウムおよび鉄触媒を用い、応募者が開発したイミドバナジウム錯体の一段階合成法によるアミン基質の活性化や、鉄触媒による有機ニトリル化合物のジシリルアミンへの触媒的変換反応による反応基質の活性化に基づく研究戦略により、尿素、ウレタン、ホルムアミド誘導体合成の常圧二酸化炭素を炭素源とする触媒システムの開発を行う。
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研究実績の概要 |
本研究では、クラーク数が高く、入手が容易なバナジウムや鉄触媒が繰り出すルイス酸性・酸素親和性を最大限に活用し、二酸化炭素の常圧下での触媒的活性化に基づく分子変換システムの創出を目的とする。先行研究において、オキソバナジウム(V)トリイソプロポキシド存在下、常圧の二酸化炭素と第一級アミンを原料に用いて、イミドバナジウム錯体を中間体として経由した尿素誘導体合成の触媒システムの開発に成功している。しかし、触媒として使用しているオキソバナジウム(V)トリイソプロポキシドは取り扱いが困難であることに加え、反応効率が中程度にとどまっていた。本年度は、安価かつ取り扱い容易なオキソバナジウム触媒存在下、基質にジシリルアミン用いた常圧の二酸化炭素を炭素源とする尿素誘導体合成法の開発を行った。 触媒として取り扱いが容易なメタバナジン酸アンモニウムを用い、風船雰囲気下での二酸化炭素と種々の脂肪族のジシリルアミンの反応をDMA溶媒中で行ったところ、対応する対称尿素誘導体が良好な収率で生成することを見出した。キラルなジシリルアミンを基質に用いた場合、キラリティーを保持したまま対応する対称尿素誘導体が得られることを明らかにした。 さらに、ジシリルアミンとアミンの求核性の差に着目し、非対称尿素誘導体の触媒的合成に取り組んだ。触媒としてメタバナジン酸アンモニウムを用い、二酸化炭素雰囲気下、ジシリルアミンと第二級アミンの反応をDMA溶媒中で行ったところ、対応する非対称尿素誘導体が良好な収率で生成することを明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2022年度、取り扱いが容易で安価なメタバナジン酸アンモニウムを触媒とする常圧二酸化炭素を炭素源とする対称尿素誘導体の触媒的合成に成功した。また、ジシリルアミンとアミンの求核性の差を利用することにより、非対称尿素誘導体の触媒的合成も可能にした。以上の点を鑑み、本研究課題は概ね順調に進展していると判断している。
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今後の研究の推進方策 |
非対称尿素誘導体の触媒的合成において、基質汎用性の検討や選択性向上に向けた条件検討を行う。さらに、クラーク数が高く、入手が容易な鉄触媒を用いた二酸化炭素の常圧下での触媒的活性化に基づく分子変換システムの創出にも取り組む予定である。
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