研究課題/領域番号 |
22K05137
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分34010:無機・錯体化学関連
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研究機関 | 埼玉大学 |
研究代表者 |
藤城 貴史 埼玉大学, 理工学研究科, 准教授 (20740450)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | HCP / 鉄-硫黄クラスター / 鉄-硫黄-酸素クラスター / X線結晶構造解析 / 反応中間体 / 触媒機構 / 還元 / Hybrid cluster protein / 金属クラスター |
研究開始時の研究の概要 |
金属イオンが複数集まった「金属クラスター」を有する酵素は、不活性な小分子を有用物質へ変換できるため、その触媒としての利用が期待されているが、大気中の酸素で容易に失活する弱点があるため、現実的な利用は難しいとされる。一方、金属クラスター酵素の1つであり、非常に珍しいFe-S-O型の金属クラスターを有するHybrid cluster protein (HCP)は、酸素にも安定であり、その利用が期待されるものの、HCPの触媒機構は未だ不明なため、HCPの触媒としての開発は遅れている。そこで本研究では、HCPのFe-S-Oクラスターの反応特性を解明し、HCPの触媒利用への道筋を拓くことを目指す。
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研究実績の概要 |
2022年度では、HCPの触媒機構解明に必要不可欠となる、高分解能X線結晶構造を与えるHCPの探索を行った。様々な嫌気性微生物由来のHCPを、His-tagを持つ大腸菌組換え酵素として発現するためのプラスミドをそれぞれ構築し、嫌気的に発現、精製、結晶化を行った。その結果、異なる3種の微生物由来のHCPの結晶が得られた。放射光施設Photon factory、Swiss Light Source、SPring-8などでそれらのX線結晶回折データを収集し、XDSによるデータ処理、Molrepを用いた分子置換法による位相決定とCootによる構造モデリング、Refmac5による構造精密化を行なった。構造決定したHCPのうち、ある1つの微生物種由来のHCPが、その活性部位の特徴的な無機クラスターの原子座標、ならびに、その構成元素の種類を判別可能な高分解能で構造決定された。この構造では、活性部位のhybrid clusterが、以前に報告された[4Fe-2S-3O]型の休止状態のクラスターであること、そして、その配位子となるアミノ酸が同じ位置に高度に保存されていることが明らかとなった。また、配位子の1つのシステインは、システインペルスルフィドの形をとっており、これも以前のHCPの休止状態の結晶構造での報告例と一致した。これまでの報告例にあるHCPは全て本来の宿主由来のnativeタンパク質、または同種生物由来組み換え体発現系を用いているが、今回の実験で、異種生物由来のHCPを大腸菌で大量に得る系を確立できた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究の要となる高分解能X線結晶構造を与えるHCPの探索に成功した。よって、構造解析の結果に基づく中間体捕捉のための実験系の検討が可能となった。
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今後の研究の推進方策 |
今後はさらなる高分解能を狙う条件の最適化を進めるとともに、その結晶に基質や生成物を加えた状態の構造解析を進める。具体的には、結晶化に用いた沈殿剤の種類や組成、結晶化時のタンパク質濃度や温度、プレートの種類などを検討し、より高分解能を与える良質な結晶作成を目指す。さらに基質や生成物を短時間結晶にソーキングして中間体構造を与える結晶を作成する系の構築を行う。
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