研究課題/領域番号 |
22K05154
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分34020:分析化学関連
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
安達 健太 山口大学, 大学院創成科学研究科, 准教授 (80535245)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | フォトクロミズム / アルブミン / アミノ酸 / ナノ粒子 / センシング / 比色分析 / 吸着 / 分析化学 |
研究開始時の研究の概要 |
アルブミンを計測することは病理学的診断において重要課題の一つである。昨今の高齢化社会・生活習慣病増加の背景から、生体中に含まれるアルブミンを、変性・未変性に関係なく選択的、かつ高感度に測定できる簡便・安価な新規分析法が強く要望されている。 本研究では、前処理を必要とせず変性・未変性アルブミンそれぞれの識別と定量を同時に可能とする新規アルブミン計測システムを開発する。 「無機酸化物半導体の表面増強フォトクロミズム現象の検出原理とした総アルブミン量定量」と「表面に吸着したアルブミンが有機色素を包接して増幅された誘起円二色性を検出原理とした変性・未変性アルブミンの識別・定量」の2つの研究計画を達成する。
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研究実績の概要 |
本年度(令和5年度)は、アルブミン化合物吸着に伴う酸化タングステン(WO3)表面増強フォトクロミズム、及び昨年度に引き続きアルブミンに選択的に結合する色素化合物に関する基礎的研究を推進した。具体的な実施内容と成果は以下の通り。 (1)WO3表面増強フォトクロミズムによるアルブミン化合物定量 サイズ制御されたWO3ナノコロイド粒子を用いて、アルブミン化合物の検出、定量を試みた。アルブミン化合物存在下、WO3ナノコロイド粒子分散水溶液のフォトクロミズム増強を確認したが、沈殿発生により再現性のある評価には至らなかった。しかし、水溶液系内にリンタングステン酸(PWA)を共存させることで、アルブミン/WO3ナノコロイド粒子の分散安定性が飛躍的に向上した。アルブミン/WO3/PWA系のフォトクロミック挙動は、アルブミン濃度に対して良い相関性を示した。これは、既存タンパク質計測法であるLowry法の発色メカニズムと類似すると推測される。アルブミン/WO3/PWA系の発色メカニズムの解明は最終年度の重要再検討課題である。 (2)アルブミン化合物に選択的結合する色素化合物の合成 本年度は、昨年度に検討したキサンテン系色素の他に、ターメリックに含まれる天然色素クルクミノイド化合物に着目し、種々色素化合物の合成を試みた。合成した色素化合物とヒト血清アルブミン(HSA)との結合実験から定量的評価(結合サイト、結合定数)を行った。結果、HSAのサイト1に選択的包接結合する色素化合物を見出すことができた。しかし、キサンテン系色素/HSA、クルクミノイド化合物/HSA包接錯体からの誘起円二色性(CD)シグナルの強度は弱く、CDシグナルから変性アルブミンと未変性アルブミンの識別には至っていない。最終年度は、クルクミノイド化合物に注力し種々色素化合物の検討を実施する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
海外からの計測機器・治具の納品が、海上ルート変更に伴い大幅に遅れたが、研究全体では大きな遅れなく進捗していると判断する。 アルブミン化合物に対してセンシング能を有する種々WO3ナノコロイド粒子を合成した。またPWA共存下において再現性のあるフォトクロミズム増強を確認した。しかし、その定性的・定量的化学的メカニズムは不明のままである。 種々キサンテン系色素化合物の合成を行ない、ヒト血清アルブミン(HSA)のサイト1に選択的包接結合する色素化合物を見出した。しかし現時点でキサンテン系色素/HSA包接錯体から誘起円二色性シグナルの強度はとても弱く、CDシグナルから変性アルブミンと未変性アルブミンの識別は難しい状況である。
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今後の研究の推進方策 |
最終年度(令和6年度)は、WO3ナノコロイド粒子表面に吸着したアルブミン化合物の定量的に評価、ならびに、更なるアルブミン化合物高感度センシング能を指向し、超音波を用いた表面修飾されたWO3ナノコロイド粒子合成法の開発に着手する。また、水溶液中におけるアルブミン化合物の自己集合挙動、そして、アルブミン/WO3/PWA系のフォトクロミズムメカニズムの解明についても定量的に調査する。 令和5年度に引き続き、アルブミン化合物に選択的結合する新規色素化合物の合成・評価も継続する。
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