研究課題/領域番号 |
22K05155
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分34020:分析化学関連
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研究機関 | 前橋工科大学 |
研究代表者 |
菅原 一晴 前橋工科大学, 工学部, 教授 (30271753)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | ヒト慢性白血病由来細胞株 / シングルストランドDNA / 電子伝達性ペプチド / 分析化学 / ペプチド / サイトセンシング / DNA / PNA |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では細胞を認識するSingle strand DNA(ssDNA)と電子伝達性ペプチド、ペプチド核酸(PNA)を利用したマルチプレクサー(多チャンネル連続測定装置)付電気化学的細胞センシングシステムを構築する。ます、細胞認識ssDNA/電子伝達性ペプチドプローブを合成しssDNA部位との結合を利用して細胞を検出する高機能性プローブのスクリーニングを行う。次に、ssDNA部位と相補的に結合するPNA修飾電極を作製しssDNA部位に対してPNAと細胞を競争させ世界トップレベルの検出感度を有する細胞測定システムの開発を目指す、さらに、その成果は踏まえて医療現場で実用的なシステムへと発展させる。
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研究実績の概要 |
本研究では、ヒト骨髄性白血病細胞株(K562細胞)を電気化学的にセンシングするためにシングルストランドリボ核酸(ss-DNA)とペプチドを結合させた一連のプローブを合成した。プローブの細胞認識部位としてK562細胞と結合するss-DNAアプタマーを選択した。一方、ペプチド部位はN-末端をアセチル化したAc-His-tag/電子伝達性ペプチドとしておりプローブ合成プロセスにおいて有利である。電子伝達性ペプチドはチロシンとシステイン残基から成っており、容易に細胞センシングのための電極応答を得ることができる。ペプチド部位のカルボキシ基が、ss-DNAアプタマーの5'-末端にリンカーとしてH2N-(CH2)6-OHを導入されアミノ基とコンジュゲートさせた。このプローブはss-DNAとペプチドで構成されているため、生体適合性が高く、コストエフェクティブの高い細胞検出プローブである。ボルタンメトリーによる測定では、電子伝達性ペプチドに起因する酸化ピークが出現し、ss-DNAがK562細胞を認識した際に先のピークはターゲット細胞の濃度に依存し減少した。上述のss-DNAアプタマーをペプチドに修飾したプローブの挙動は、K562細胞を認識しないss-DNAアプタマーを結合させたプローブと比較して、K562細胞センシングに対して高い選択性を示した。考案したプローブのピーク電流値は、10~2,000細胞/mLの濃度範囲でよい直線関係が得られており、K562細胞の検出限界は3細胞/mLであった。それゆえ、ss-DNA/ペプチドプローブはターゲット細胞のセンシングに対して有益であり今後の展開が期待される。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当該年度は、Covid-19の影響を受けてはいるが、計画に掲げた新たな電子伝達性ペプチド配列のデザインに関するいくつかの知見が得られており研究の進展が見られた。既存の電子伝達性ペプチドに対して、ペプチドの溶解度や構造の安定性が改善されおり、期待通りの結果となっている。また、デザインしたペプチド/ss-DNAプローブによるヒト骨髄性白血病細胞株(K562細胞)の電気化学的センシングを行ったところ、ペプチドプローブのみで実施した細胞センシングに比較し細胞とプローブとのインキュベートする時間が短縮されている。以上のことから判断して、おおむね予定通り研究が進んでいると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
昨年度の「電子伝達性ペプチド/細胞認識ss-DNAプローブによるバルクでのターゲット細胞の電気化学的センシング」における成果を踏まえて先のプローブを修飾したスクリーンプリント電極によりサイトセンシングを発展的に実施する。そのシステムとしては以下の通りである。まず、アセチル化したシステイン、チロシンとヒスチジン残基を連ねたペプチドに加えてシステイン、チロシン、トリプトファン、ヒスチジン残基から成るペプチド配列を合成し、細胞認識ss-DNAに結合させたプローブを合成する。これらのプローブ光透過性スクリーンプリント金電極にシステイン残基を介して固定化する。そして、この電極を用いターゲット細胞の検出を行うことをベースに研究を進める。一方、ss-DNA/ペプチドプローブと相補的に結合するペプチド核酸(PNA)を金電極に固定化したデバイスを作製する。細胞存在下でPNAと細胞とをプローブに対して競争させPNAとの結合が抑制に基づく細胞のセンシングを目指す。その際には、相補的PNAの長さを変化させることでPNA-ssDNA間の結合力を向上させて高感度な細胞検出を達成する。
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