研究課題/領域番号 |
22K05159
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分34020:分析化学関連
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研究機関 | 麻布大学 |
研究代表者 |
中野 和彦 麻布大学, 生命・環境科学部, 准教授 (40373021)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2024年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 蛍光X線分析 / マイクロプラスチック / 微量元素 / EDX / 元素分析 / 分析化学 / 微小部蛍光X線分析 |
研究開始時の研究の概要 |
マイクロプラスチックによる環境汚染は、我が国のみならず国際的にも極めて重要な環境問題となっている。マイクロプラスチックには、様々な金属が含有・付着しているが、マイクロプラスチックによる金属汚染に着目した研究は、海外では数例の研究例があるものの、日本ではこれまで報告例はない。さらに、海外の研究例も正確な定量分析が行われているとは言い難い。そこで本研究では、申請者が培ってきた蛍光X線分析における分析標準化技術を基礎として、蛍光X線分析法を用いたマイクロプラスチック中重金属元素の高精度定量分析手法を確立し、本邦におけるマイクロプラスチック及びマイクロプラスチックに伴う金属汚染状況の把握を目指す。
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研究実績の概要 |
現在、マイクロプラスチックによる環境汚染は、そのもの自体はもちろん、それに付着する金属汚染として、日本のみならず国際的にも重要な環境問題である。プラスチックには、その製造工程の中で様々な添加剤が使用されており、過去には人体に有害な金属元素が使用されていたこともあった。このため、マイクロプラスチックによる金属元素や有害元素の環境負荷を見積もる上でも、マイクロプラスチック中の微量金属元素の定量は重要である。 本研究では、蛍光X線分析法を用いたマイクロプラスチック中微量金属の高精度定量分析手法を確立し、本邦都市域河川~海岸域におけるマイクロプラスチック及びマイクロプラスチックに伴う金属汚染状況の把握を目指す。 蛍光X線分析は、試料に含まれる微量金属元素を非破壊で、迅速・簡便に分析可能であるが、実際のマイクロプラスチック試料は、その形状が一様ではないため、精密な定量が困難である。このため本研究では、試料形状 (厚さ及び試料サイズ) の異なるプラスチック試料における補正方法を検討し、厚さ及び試料直径の補正関数を算出し、この補正関数を用いることで、厚さ 0.5 mm,試料直径 2 mm までのマイクロプラスチックであれば、良好な補正を行うことができた。また、本補正法を 2種類のプラスチック認証標準物質 (ERM-EC680m, ERM-EC681m, ポリエチレン) に適用し、認証元素5 元素 (Cr, Zn, Sb, Pb, Br) の定量を行った結果、各元素の定量値は、認証値に近い値を示した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
試作を予定していた、微小部蛍光X線分析装置の開発については、X線集光素子であるポリキャピラリーX線レンズの納期が、当初の見込みよりも大幅に遅れてしまい、2022年度中の装置開発を実施することができなかったため。
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今後の研究の推進方策 |
X線集光素子であるポリキャピラリーX線レンズを搭載した微小部 XRF 装置の試作とマイクロプラスチック中微量金属の高精度・迅速分析法に取り組む。また、都市河川のマイクロプラスチックのサンプリングを行い、マイクロプラスチック量や含有金属濃度の定量的な評価を行う。これらの成果を元に、マイクロプラスチックによる金属汚染状況の実態を解明する。
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