研究課題/領域番号 |
22K05160
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分34020:分析化学関連
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研究機関 | 同志社大学 |
研究代表者 |
塚越 一彦 同志社大学, 理工学部, 教授 (60227361)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 微小領域の流れ / 相分離混相流 / 分離 / 分離・検出 / HPLC / 連続注入 / 環状流クロマトグラフィー |
研究開始時の研究の概要 |
申請者は、新たな「環状流クロマトグラフィー」)を開発してきた。この技術は、可視化が可能な材質を使って流れを観測しながら「環状流」を創出することを基礎としてきた。新たな学術ステージとして、流体特性、無次元数、粘性散逸エネルギー等に視点を置きつつ、流れの観測と分析を通して、「環状流」を創出する理論体系と制御手法を確立することを目指す。可視化できない材質の微小領域で、「環状流」を創出・制御することができれば、「環状流」を使った種々の技術において、使用や応用の範囲が大きく拡張される。本研究では、配管チューブを分離用カラムとして市販HPLC装置に接続した「環状流クロマトグラフィー」を開発・実証する。
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研究実績の概要 |
水/親水性/疎水性有機溶媒混合溶液のような二相分離混合溶液は,温度/圧力変化で相変化し,回分式容器内では上層と下層に相分離する.我々は,その均一一相溶液を微小領域に送液しながら,温度/圧力変化で相変化させると,動的液-液界面を有する新たな混相流が得られることを見出した.この流れを,従来の混相流(非混和混相流)に対して,相分離混相流という.微小領域の流れ(相分離混相流)の制御と配管チューブを分離カラムとする連続注入・分離・検出法の開発を進めるとともに、相分離混相流を溶離液として使用する新規HPLCシステムの開発に着手した.相分離混相流を使ったHPLC システムでの分離モードを相分離モードという.これまでノンポーラスのODS 修飾,ポーラスシリカ充填カラムなどを用いて検討してきた.これまで得られた実験結果とともに,分離メカニズムについて考察した.HPLCにおける従来の順相および逆相モードでは,分析対象物は移動相と固定相の間の分配に基づきクロマト分離される.一方,相分離混相流が溶離液または移動相として,分離カラムに導入されると,移動相は,温度/圧力変化によって,有機過剰相と水過剰相の2相に分かれる.そのうち,体積比が大きい相が,主に粒子表面から離れより速く移動し,体積比が小さい相が主に粒子表面近くをゆっくりと移動する. 相分離モードでは,移動相 (有機過剰相または水過剰相) と固定相の間で分配が起こるだけでなく,2つの移動相 (有機過剰相と水過剰相) の間でも分配が起こり,クロマト分離が達成される.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
微小領域の流れ(相分離混相流)の制御と分離カラムとする分離・検出法の開発に関して、2023年度には、HPLCの分離カラムへの接続を試みた。相分離混相流が溶離液または移動相として,分離カラムに導入されると,移動相は,温度/圧力変化によって,有機過剰相と水過剰相の2相に分かれる.そのうち,体積比が大きい相が,主に粒子表面から離れより速く移動し,体積比が小さい相が主に粒子表面近くをゆっくりと移動する. 相分離モードでは,移動相 と固定相の間で分配が起こるだけでなく,2つの移動相 の間でも分配が起こり,分離が達成されることがわかった。関連する内容を学術論文誌に3報投稿することができた。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は,相分離混相流を溶離液として使用する HPLCシステムの開発を進めてきた.その分離モードを相分離モードという.これまでは,モデル試料として,2,6-ナフタレンジスルホン酸 (2,6-naphthalenedisulfonic acid,NDS) および 1-ナフトール (1-naphthol,NA),の分離・検出を行ってきた.これからは、タンパク質、ペプチド、アミノ酸などの生体成分、また光学異性体の分離に応用して行きたい.
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