研究課題/領域番号 |
22K05162
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分34020:分析化学関連
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研究機関 | 福井工業高等専門学校 |
研究代表者 |
高山 勝己 福井工業高等専門学校, 物質工学科, 教授 (70226934)
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研究分担者 |
松野 敏英 福井工業高等専門学校, 物質工学科, 准教授 (40557443)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2025年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 酵母細胞表層工学 / マンノース糖鎖認識レクチン / GPIアンカー / 糖鎖認識レクチン / アフィニテイークロマトグラフィー担体 / レクチンアレイ分析 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では申請者がライフワークとして取り組んできた細胞表層工学技術(大腸菌や酵母等の微生物細胞表面に任意のタンパク質を、ペプチド糖脂質アンカー(GPI)を介して発現提示する技術)を用いて、1)MBLのCRD領域を酵母表層に発現提示させた機能性細胞を創成し、自己増殖能を有したレクチンカラム担体として応用する、2)細菌除去吸着剤として応用する、3)多様なレクチン表層発現体を作成し、レクチンアレイ分析法に応用することにある。さらに発がんマーカー検出試薬や有害微生物(病原細菌やウイルス)吸着剤としての将来性を見極めようとするものである。
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研究実績の概要 |
今年度は、細胞表層工学技術を用いて酵母Saccharomyces cerevisiae MT8-1株の細胞表層にヒトマンノース結合レクチン(MBL)の糖認識ドメイン(CRD)に相当するを発現させるためのプラスミドを構築(pMW MBL/CRD)した。なおCRDはヒト第10染色体長腕 EXON4にコードされている。シャトルベクターとして用いたpMWFDへのCRD配列の挿入をシークエンス解析により確認した。pMW MBL/CRD酵母MT-8形質転換体を任意の条件で培養(ただし、ここで用いた条件は必ずしも最適条件ではない)し、増殖が定常となったところで回収し、FLAG抗体染色法ならびに2-Aminobenzoic acid ラベル化マンノースオリゴ糖鎖染色(蛍光ラベル化オリゴ糖)を用いてCRD表層確認をそれぞれ行った。CRD-C末端にFLAGが発現されることで、FLAG抗体染色が可能なはずであるが発現体の蛍光を観察できなかった。これに対して蛍光ラベル化オリゴ糖を用いることで、明瞭な蛍光が観察され表層発現を確認することができた。 結論として、現段階でMBL/CRD酵母表層発現用プラスミドの構築に成功し、酵母細胞表層にCRDを発現することができたと言える。ただし、その発現量は抗体染色による観察から、十分ではなく発現培養条件のさらなる最適化検討が必要であると考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年は研究開始2年目にあたる。目的とするヒトマンノースオリゴ糖鎖結合認識ドメインの酵母表層発現を確認できた。定量的評価に至っていないが、FLAG抗体染色による表層発現が確認できないなど課題を残している。これは酵母表層への発現量が十分でないことによるものと考えられ、発現培養条件のさらなる最適化を要すると考えている。今年度中にこの問題をクリアすることで、応用展開への道筋ができると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
今回選択した表層発現培養条件は、著者らが別のタンパク質の酵母表層発現を目的として(温度、pH緩衝液成分、回収のタイミングなど)最適化したものであり、本来は個々のタンパク質ごとに最適条件があると推察される。よって、CRD発現に適した条件を詳細に検討する予定である。酵母表層発現CRDの2-Aminobenzoic acid ラベル化マンノースオリゴ糖鎖に対する認識能力を定量的に評価する予定である。さらに、マンノースオリゴ糖鎖を細胞表面に保有する細菌に対する吸着剤としての有用性を検討する予定である。
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