研究課題/領域番号 |
22K05208
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分35010:高分子化学関連
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
湊 遥香 信州大学, 繊維学部, 研究員 (80878512)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 高分子微粒子 / ゲル微粒子 / 刺激応答性 / 自己組織化 |
研究開始時の研究の概要 |
微粒子が規則的に配列した集積体(コロイド結晶)は光学材料や原子・分子のモデルとしての活用が期待される。更なる発展に向けた課題として、複数の微粒子を混合して結晶化を行うと、予期せぬ粒子間引力が支配的となり凝集するため、構造制御が極めて困難である。本研究では、ゲル微粒子特有の立体斥力存在下、微粒子周囲の環境変化に対応して「斥力⇔引力」支配を可逆的に変化させることにより、性質が異なる複数のゲル微粒子から構成される微粒子配列体の構築に挑戦する。
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研究実績の概要 |
ゲル微粒子特有の立体斥力存在下、微粒子周囲の環境変化に対応して斥力と引力の相互作用を変化させることを活かし、微粒子配列体の形成に挑む。本年度は、そのゲル微粒子の設計に取り組んだ。新たに合成した粒子は、階層型のゲル微粒子である。沈殿重合に対し、一定時間の間隔でモノマーを添加するマルチステップ沈殿重合を検討した。ゲル微粒子の階層的な構造は、これまで報告されているものはせいぜい3層であった。本検討で作製したゲル微粒子は、化学構造の異なる10層を有するゲル微粒子を得ることに成功した。今後、こうしたゲル微粒子を活用し、緻密な配列体を得ることにより、力学的性質や薬剤等の徐放性などを制御した新たなソフトマテリアルの創製に繋がることが期待される。 次に、ゲル微粒子を配列させる場を3次元ではなく、2次元場で実施することを可能とするために、気水表面を活用した。これまでも、液滴等の気水表面を活用した検討を実施した経験はあるが、本検討では、ラングミュアトラフを活用し、ゲル微粒子の圧縮を定量的に調節することの実現を目指した。特に、蛍光ラベル化し、架橋度の異なる一連のゲル微粒子を用いたところ、気水表面上において、ゲル微粒子が圧縮されていく様子を系統的に捉えることに成功した。更に、従来議論されてきたゲル微粒子の配列構造は固体基板上に移しとって原子間力顕微鏡などを用いて配列性を議論していたのに対し、本検討では、蛍光顕微鏡により気水表面上の構造を直接観察することで、ゲル微粒子の配列構造は気水表面上と固体基板上で劇的に異なることを発見した。特に、架橋度が高いゲル微粒子ほど、両界面での配列構造の差は大きくなった。 以上を踏まえ、最終年度には、ゲル微粒子の環境応答性をも活用し、3次元空間に加え、2次元空間も活用し、複雑な幾何学パターンを有する微粒子配列体の構築に挑戦する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本検討で使用する微粒子の開発、および粒子充填密度を可逆的に調整できる2次元場での配列構造制御を達成しており、確実に目的に向けた基盤構築が進んでいるため。
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今後の研究の推進方策 |
開発した環境応答性ゲル微粒子を活用し、2~3次元空間における可逆的な粒子充填密度、および周囲の環境変化に伴う粒子間引力・斥力相互作用の調整を通じ、より緻密な配列構造制御を目指す。
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