研究課題/領域番号 |
22K05209
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分35010:高分子化学関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
内山 峰人 名古屋大学, 工学研究科, 講師 (10779680)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 高分子合成 / アニオン重合 / リビング重合 / 炭素-水素結合 / 立体規則性 / 塩基触媒 / 特殊構造高分子 / 精密重合 / 末端官能性高分子 / 立体特異性重合 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、生長末端の可逆的活性化に基づくリビングアニオン重合系を確立し、精密高分子構造へと展開することで、精密アニオン重合の新たな学理の構築を目的とする。とくに、開始剤やモノマー設計により、末端構造や分岐構造などの自在な構造制御を達成する。さらに、触媒量のキラル試薬を用いた立体構造制御や、従来困難であった水などのプロトン性化合物存在下でのリビングアニオン重合を実現し、新たな精密アニオン重合手法を開拓する。
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研究実績の概要 |
高分子合成において、分子量や末端構造などの一次構造を精密に制御することは、優れた機能性高分子材料を開発する上で重要であり、既存の重合法に加え、更なる精密重合手法の開発が必要不可欠である。 本研究では、炭素―水素結合をドーマント種として用いた可逆的活性化に基づく新規リビングアニオン重合を確立し、その特徴を生かした高分子の精密構造制御を目的とした。本年度は、主に、(1)種々のビニルモノマーの重合制御、(2)分子量と立体規則性の同時制御について検討し、以下の成果を得た。 (1)では、炭素―水素結合をドーマント種として用いたリビングアニオン重合において、モノマーの適応性を確認するために様々なビニルモノマーの重合を検討した。可逆的停止剤としてアルコールを添加することで、様々な側鎖を有するメタクリレートの分子量制御が可能であった。さらに、塩基触媒や添加剤などの適切な重合条件を設計することで、アクリレートやアクリルアミドに加え、2-ビニルピリジンの重合制御にも可能であった。 (2)では、炭素―水素結合をドーマント種に用いたアニオン重合の特徴を活かし、対カチオンを設計することで、立体規則性と分子量の同時制御を検討した。本年度はとくに、ジエチルアクリルアミドの重合において、カリウム塩基に対する配位子や設計することで、立体規則性と分子量の同時制御を達成した。得られたポリマー立体規則性に応じて異なる温度応答性挙動を示した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度目的とした研究いずれも順調に進行し、良好な結果が得られたと考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
次年度も、本年度に引き続き、種々のモノマーの重合制御について検討し、新規リビングアニオン重合としての確立を目指す。とくに、スチレンなどのより反応性の低いモノマーの重合制御を達成する。さらに、種々のモノマーの組み合わせからなるブロック共重合やこの系の特徴を活かした特殊構造高分子の合成を検討する。また、生長末端への選択的一分子付加反応を利用したポリマーの高機能化などについても検討を行う。
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