研究課題/領域番号 |
22K05212
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分35010:高分子化学関連
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研究機関 | 名古屋工業大学 |
研究代表者 |
高木 幸治 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (60303690)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | ラダーポリマー / 共役ポリマー / 直接アリール化 / 自己組織化 / 精密合成 / 共役ラダーポリマー |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、薄膜状態における共役ラダーポリマーの凝集構造を自己組織化によって制御するため、次の三つの課題に取り組む。 課題Ⅰ:ブロモ基を含む芳香族ポリアミドを経由する共役ラダーポリマーの分子量規制 課題Ⅱ:モノマー連鎖を操作することによる共役ラダー共重合体の系統的合成 課題Ⅲ:自己組織化観察による共役ラダーポリマーの一次構造と高次構造の関係解明
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研究実績の概要 |
電子・光デバイス材料として優れた機能、性能を示すためには、薄膜状態における共役ラダーポリマーの凝集構造を自己組織化によって制御することが重要である。代表者は、原子利用効率が高い直接アリール化を前駆体ポリマーに適用して共役ラダーポリマーを簡便合成している。本課題では、先行研究に基づいた設計戦略により、1)分子量が規制された共役ラダーポリマーの精密合成法を確立し、2)当該方法を応用して共役ラダーブロックおよび交互共重合体を創出し、3)共役ラダーポリマーの凝集制御につながる自己組織化を明らかにする。 本年度は、課題IIで共役ラダーブロック共重合体を合成するために、課題Iとして掲げた新規モノマー合成と重合を行った。前年度の研究から、4-アルキルアミノ安息香酸エステルにおけるエステル置換基の脱離能が重要であることがわかったため、ペンタフルオロフェニルエステル型モノマーを合成した。従来法で連鎖重縮合を検討したが、強塩基であるLiHMDSがエステル部位と直接反応し、ベンズアミドに変換されることで重合には至らなかった。したがって、この時点でブロック共重合体の合成は中断することとなった。次に、繰り返し単位中に疎水鎖と親水鎖を有する共役ラダー交互共重合体の合成に向けて、新規AB型ダイマーを合成した。保護基を用いて目的とするダイマーを合成できたが、予想に反して化合物が徐々に分解することがわかった。アルキル鎖のみを有するダイマーは安定なので、親水鎖として導入したTEG鎖が分解を引き起こすものと考えた。ダイマー合成後すぐに直接重縮合させることで分子量分布の広いポリマーを合成した。1H-NMRスペクトルから、共役ラダー交互共重合体の前駆体となる芳香族ポリアミドの生成を確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究開始時点で計画していた共役ラダーポリマーの分子量制御(課題Ⅰ)については、さまざまなモノマーを合成したが、制御された重合を確立することはできなかった。リビング重合に見られるような安定な成長末端を経由した重合が困難であった。このため、共役ラダーブロック共重合体の合成(課題Ⅱの一部)を中断せざるを得なくなった。一方、疎水鎖と親水鎖を有する共役ラダー交互共重合体のための新規モノマー合成には成功した(課題Ⅱ)。興味深いことに(あるいは残念なことに)、N末端となるアミノ基上にオクチル基、中央のアミド窒素上にトリエチレングリコール基、C末端にカルボキシ基を有するダイマーにおける特異な反応を見出した。カルボキシ基のプロトンがエーテル鎖によってアルキルアミノ基に移動することで、N末端からオレフィンが脱離することを各種スペクトル測定によって明らかにした。重合までの操作を工夫することで、共役ラダー交互共重合体の前駆体を合成することができた。当該ポリマーの直接アリール化(ラダー化)の検討を進めているところである。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度は、引き続き共役ラダー交互共重合体の合成(課題Ⅱ)を進める。前駆体の合成は概ねできているので、パラジウム触媒による直接アリール化を行う。また、スピロ構造(カルド構造)を繰り返し単位とする共役ラダーポリマーを新たに設計し、これの合成に取り組む。例えば、カルボキシ基を有するスピロビフルオレンモノマーと従来用いてきたブロモ基を有するジアミンモノマーから前駆体ポリマーを合成し、これを直接アリール化によってラダー化させる。ジグザグ二次構造をもつ新たな共役ラダーポリマーの気体分離能などを評価する。
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