研究課題/領域番号 |
22K05224
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分35020:高分子材料関連
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
落合 文吾 山形大学, 大学院理工学研究科, 教授 (20361272)
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研究分担者 |
西岡 昭博 山形大学, 大学院有機材料システム研究科, 教授 (50343075)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | アクリレート / カーボネート / 物理架橋 / 強靭化 / 強靭材料 / 自己修復 / 相互作用 / カルボニル |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、環状カルボニル構造により生み出される強い双極子-双極子相互作用を鍵とした非イオン性の可逆的な物理架橋により、ポリマーの強靭化と接着性の向上・自己修復性の発現を目指すものである。 環状カルボニル化合物は、一方向に強く分極しているため、双極子モーメントが大きく、 結果的に分子間相互作用が強い。この強い相互作用は、ポリマー中で強い物理架橋点を形成する鍵となりえる。そこで、環状カルボニル構造を共重合等で精密に配置し、アイオノマーのような優れた強靭さや接着性、自己修復性などを、周囲の環境に左右されにくい非イオン性の構造で発現させる。さらにこのコンセプトの汎用ポリオレフィンへの適用も目指す。
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研究実績の概要 |
環状カーボネート構造を持つモノマーである1,3-ジオキソラン-2-オンイルメチルメタクリレートと汎用メタクリレートであるエチルヘキシルメタクリレートとメタクリル酸メチルの三元バルク共重合による強靭ポリマーフィルムの合成を検討した。水素引き抜き能 が低い開始剤であるルペロックス575と架橋を抑制する連鎖移動剤であるテルピノレンを加えると、ヤング率を維持しながら破断伸びが向上した。この機構を解析した。DMAから、一次鎖の成長にはほぼ影響を与えずに、副反応である側鎖からの水素引き抜きを起点とする化学架橋が抑制できていることが支持された。また、架橋度を適切に抑制できたポリマーは繰り返しの伸張、回復特性に優れており、折り曲げ耐性にも優れていた。この理由をIRスペクトルによる解析したところ、伸張とともに五員環カーボネート構造の双極子-双極子相互作用が弱くなっていくこと、およびこれが形状回復過程で再び相互作用も回復していることが示された。 すなわち、五員環カーボネートの双極子―双極子相互作用による物理架橋が、犠牲的な結合として働いていることがわかった。 また、この五員環カーボネートの双極子-双極子相互作用を、アルキル置換五員環カーボネートを用いた炭化水素中でのモデル系でのIRスペクトル、XRD、DLS、DSCから解析した。その結果、炭化水素、アルキル鎖長、濃度等に依存した集合挙動の相関を明らかにするとともに、上記のIRスペクトルによる解析の妥当性を確定することができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
五員環カーボネート含有ポリメタクリレートでの化学架橋を大幅に抑制できた。また、五員環カーボネート構造による双極子ー双極子相互作用が耐折り曲げ性と剛直さの両立に大きく寄与していることを、明らかにするなど、メカニズムと機能の相関の解明が順調に進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
五員環カーボネート含有ポリメタクリレートに熱可塑的な成形性を付与するべく、懸濁重合等を検討する。炭化水素中での五員環カーボネートの集合挙動に基づいて、ポリエチレン中での含カーボネート炭化水素による物理架橋構造の形成に向けた検討を行う。
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