研究課題/領域番号 |
22K05240
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分35020:高分子材料関連
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
内田 哲也 岡山大学, 環境生命自然科学学域, 教授 (90284083)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | ポリイミド / ナノファイバー / 結晶化 / 結晶化機構 / 剛直高分子 / 複合体 / 熱伝導性 / 剛直可溶性ポリイミド / 溶液結晶化 / 高熱伝導性 / 絶縁性 |
研究開始時の研究の概要 |
可溶性結晶性剛直ポリイミド(PI)を用いて希薄溶液からの結晶化を行うことにより、その溶液結晶化の特徴を明らかにすることが目的である。また得られた知見を用いてPIをNナノファイバー化して高熱伝導性、絶縁性を有する高性能材料として応用することを検討する。以下のとおり研究を進めていく。 (1)PIの分子量、分子形態、結晶化温度が溶液結晶化におよぼす影響と結晶化機構の解明 (2)側鎖の嵩高さが剛直高分子の結晶化におよぼす影響の解明 (3)溶液結晶化でPI NFが形成する機構の解明と効率的なPI NF作製法の確立 (4)PI NFの構造と物性の特徴の解明と高熱伝導性、絶縁性高性能材料としての応用
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研究実績の概要 |
これまで申請者は分子鎖が折れ曲がることのできない剛直高分子の希薄溶液からの結晶化を検討し、剛直高分子の溶液結晶化の特徴を明らかにしてきた。また得られた知見を高性能ナノ材料の作製に活用し、剛直高分子の溶液結晶化を利用した高性能ナノファイバー(NF)の作製と複合体への応用も検討してきた。一方、剛直ポリイミド(PI)は高性能材料として幅広く利用されているが、結晶性の剛直PIは溶媒に溶解しないため、溶液結晶化機構は検討されてなかった。 本研究では①可溶性結晶性の剛直PIを用いて希薄溶液からの結晶化を行い、各種顕微鏡による形態観察等により結晶化機構を解明する。②可溶性結晶性剛直PIは側鎖に嵩高い置換基を有するため、側鎖の嵩高さが剛直高分子の結晶化に及ぼす影響を明らかにする。③得られた知見を活かし溶液結晶化によりPI NFが形成する機構を解明するとともに、効率的なPI NFの作製方法を確立する。④PI NFを用いて複合体を作製し、高性能複合材料への応用を検討する。得られた結果をこれまでの剛直高分子の溶液結晶化に関する知見と合わせて検討することにより、系統的な学問的解釈が可能となる。また、溶液結晶化を用いた独自の方法で得られるPI NFは高耐熱性、高熱伝導性、低誘電率、絶縁性が予想され、PI NF積層シートとしての利用や複合体のフィラーとしての利用など産業的に大きな波及効果をもたらす。 今年度はPI NFと高分子の複合体を作製し、その構造と物性の関係を検討した。PI NFを少量添加することにより熱伝導性が向上した。またPI NFを複合体用途に用いるために分散性の向上したマスターバッチを作製し、高分散性の複合体作製法を確立した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度は高結晶性PI NFと高分子の複合体を作製し、その構造と物性の関係を検討した。PI NFを少量添加することにより熱伝導性が向上した。またPI NFを複合体用途に用いるために分散性の向上したマスターバッチを作製し、高分散性の複合体作製法を確立した。この内容は研究計画に沿ったものであり、研究はおおむね順調に進展しているといえる。
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今後の研究の推進方策 |
当初の予定どおり、以下の項目について検討を進めていく。②可溶性結晶性剛直PIは側鎖に嵩高い置換基を有するため、側鎖の嵩高さが剛直高分子の結晶化に及ぼす影響を明らかにする。③得られた知見を活かし溶液結晶化によりPINFが形成する機構を解明するとともに、効率的なPINFの作製方法を確立する。④PINFを用いて複合体を作製し、高性能複合材料への応用を検討する。 また、得られた結果をこれまでの剛直高分子の溶液結晶化に関する知見と合わせて検討することにより、系統的な学問的解釈を行う。さらに得られたPINFを高耐熱性、高熱伝導性、低誘電率、絶縁性を有する積層シートとしての利用や複合体のフィラーとしての利用などを検討する。 今年度はすべての事項の進捗を確認しながら、それぞれの検討で得られた知見を総合的に活用して最終目標の到達をはかる。
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