研究課題/領域番号 |
22K05252
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分35030:有機機能材料関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
志津 功將 京都大学, 化学研究所, 助教 (10621138)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 電子遷移速度定数 / 振電相互作用 / スピン軌道相互作用 / 内部転換 / 項間交差 / 有機EL / 熱活性型遅延蛍光 / 重原子効果 / 多重共鳴 / 材料設計 / 高速スクリーニング / マテリアルズインフォマティクス |
研究開始時の研究の概要 |
有機材料の各種物性は、材料中で起こる様々なエネルギー変換過程の競争により決まります。もし、分子構造をインプットとして、あらゆる過程について、速度定数を高速かつ高精度に計算することができれば、どのような材料を作ればよいのかを、コンピュータ上で予測できるようになります。材料開発のスピードを大幅に加速させる技術を開発することで、我が国の材料開発競争力の強化に貢献します。
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研究実績の概要 |
有機EL素子における外部量子効率の低下(ロールオフ)は、有機ELの実用化を目指す上で解決すべき課題の一つである。高速な逆項間交差(Reverse Intersystem Crossing, RISC)を示す熱活性型遅延蛍光(Thermally Activated Delayed Fluorescence, TADF)材料は、ロールオフを低減できる材料として有望である。本研究では、RISCの高速化を実現する分子設計指針の確立を目指し、RISC速度に対する重原子効果の影響を調べた。 MCz-TXOは、重原子を含まないにも関わらず高速なRISCを示すことで知られている。この理由を明らかにするため、密度汎関数法(DFT)ならびに時間依存DFT法を用いてMCz-TXO のRISCメカニズムを調べた。RISCに関わる全ての素過程について速度定数を計算することで、RISC速度定数を算出した。その結果、MCz-TXOにおけるRISCは高励起三重項状態を経由して起こり、硫黄(S)原子がもたらす強いスピン軌道相互作用によって、RISCが加速されていることがわかった。 RISCのさらなる高速化を目指し、MCz-TXOの硫黄をセレン(Se)、テルル(Te)、ポロニウム(Po)で置換した分子についてRISC速度定数を計算した。その結果、SeおよびTeによる重原子効果は、RISC速度を100倍高速化することがわかった。一方、Poによる重原子効果はりん光の発現を加速し、効率的なTADFを阻害することが示唆された。この結果は、高速なRISCを示すTADF材料の実現には、適度な強さの重原子効果が重要であることを示唆している。 本研究で用いたFortran90ソースコードはGitHubで公開している。 https://github.com/KatsuyukiShizu/d77
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
前年度までに確立した有機材料の速度定数計算手法を具体的な材料設計に展開した。
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今後の研究の推進方策 |
今年度までに確立した速度定数計算手法を、より実用的な有機EL材料開発に展開する。さらに、他分野の分子設計にも展開していく。
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