研究課題/領域番号 |
22K05265
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分36010:無機物質および無機材料化学関連
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研究機関 | 茨城大学 |
研究代表者 |
中島 光一 茨城大学, 理工学研究科(工学野), 准教授 (70420411)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | チタン酸ストロンチウム / ナノキューブ / 水分解光触媒 / ペロブスカイト型酸化物 / 粒子表面 / 原子配列 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は石油エネルギー社会(化石燃料)から脱却をして、水素エネルギー社会の実現を目指している。水を分解して水素を製造する技術開発は、温室効果ガス(二酸化炭素)を排出することなく、クリーンエネルギーの創出を可能とする。この水素エネルギーは発電技術や燃料電池自動車などへの利用に直結し、近未来の水素エネルギー社会の到来を可能にする。そこで本研究では、高効率水分解光触媒粒子の開発に関する研究を実施する。
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研究実績の概要 |
本研究は高効率な水分解光触媒を創り出すために、その活性点を明らかにし、光触媒の粒子表面で生じる水素生成のメカニズムを明確にすることを目的としている。そのためには、水分解光触媒としての性能を有するチタン酸ストロンチウム(SrTiO3)に対して、結晶面(ファセット)が露出したナノキューブを合成し、この粒子表面の微構造解析を実施した。合成アプローチとして、ソルボサーマル法(水熱法)を用いた。ソルボサーマル法(水熱法)はボトムアップ型アプローチで、溶解析出により原子レベルから粒子を構築することができる。 これまでは粒径が50nm以下のSrTiO3ナノクリスタルを合成することができていたが、水熱合成時の原料の濃度を変化させることで、角と稜(エッジ)がシャープなSrTiO3ナノキューブを創り出すことができた。課題としては、水分解光触媒としての水素生成の性能に直結する粒子表面の原子配列の明確化が挙げられる。SrTiO3ナノキューブ粒子の最表面がストロンチウムまたはチタンのいずれかであるか、重要なポイントになる。そのため、電子顕微鏡を用いてSrTiO3ナノキューブ粒子の最表面の原子配列の可視化を実施する予定である。また、水分解光触媒の性能向上につながる機構を解明するために、SrTiO3ナノキューブの粒子合成と微構造解析を引き続き実施する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
角とエッジがシャープなSrTiO3ナノキューブを創り出した。結晶面が露出したナノクリスタルの合成および粒子表面の原子配列の明確化を目標に掲げており、この目標を達成しつつあるので「おおむね順調に進展してい る」とした。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究の推進方策として、引き続きSrTiO3ナノキューブの合成を行うと同時に、粒子表面の原子配列の可視化を行って、水分解光触媒として水素生成する活性点を見出す。原子配列の可視化について、粒子表面の原子配列が水分解光触媒としての水素生成の性能に直結するため、粒子最表面を構成している元素を特定することに力点を置く。
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