研究課題/領域番号 |
22K05296
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分36020:エネルギー関連化学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
石黒 志 東北大学, 国際放射光イノベーション・スマート研究センター, 准教授 (20752455)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | X線顕微分光 / 全固体電池 / X線タイコグラフィ法 / XAFS / オペランド計測 / X線結像結像顕微鏡 / タイコグラフィ法 / リチウムイオン電池 / X線タイコグラフィー / X線吸収微細構造 / 化学状態イメージング |
研究開始時の研究の概要 |
本研究提案では、全固体電池の正極活物質・固体電解質を粒子・界面レベルでレイアウトを単純化した電池系の構築を行い、この電池内部の充放電でのリチウムイオン移動に伴う化学状態変化をタイコグラフィXAFS法のオペランド計測によりナノスケール追跡する。計測で得られる大規模・多次元化学イメージから、統計的・情報学的な相関・集合抽出を駆動力とした解析アプローチによって、電池内のリチウムイオン移動モードの抽出・分類とその空間可視化する。本研究により、蓄電材料界面の化学状態と電池性能との相関関係について、詳細な議論が及んでいない新たな視点を当て、電池特性向上に繋がる知見の創造に貢献できると期待される。
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研究実績の概要 |
本年度の研究では昨年度後半から引き続き、薄膜型固体電池をターゲットに電池作動条件下、充放電過程でオペランドX線スペクトロタイコグラフィ法の測定を行った。。薄膜全固体電池試料には正極にLiCoO2 (LCO)、固体電解質に Li1+x+yAlxTi2-xSiyP3-yO12 (LATP)、負極に Fe2(MoO4)3 (FMO)が積層された構造のものを用意した。薄膜電池破片をステンレス製の計測用ホルダに接着 し、集束イオンビーム加工(FIB)を用いて、電池断面方向からのX 線吸収量を XAFS 解析に最適になるように幅を共に 20 μm 程度に加工した。電池試料両極 はポテンショ・ガルバノスタットに接続することで、充放電操可能になり、この試料をSPring-8に持ち込み、充放電過程を少しずつ可変しながら、薄膜電池試料 断面方向からのCo K端及びFe K端 吸収端近傍のスペクトロタイコグラフィ計測を行った。Co K端空間分解XAFSスペクトル解析からは正極LCO層の、Fe K端空間分解XAFSスペクトル 解析からは負極FMO層の、Li挿入脱離に伴う化学状態分布の変化をTXM-XFSより高分解に詳細に可視化する事ができた。その結果LCO層内部に、薄膜電池合成過程に伴う結晶配向性の深さ依存性に起因する充放電状態の違いを初めて可視化すつ事に成功した。また、分スケールの分解能ながらタイコグラフィ測定の時間分解測定測定し、充放電過程の動きのある過程の中の化学状態分析も実現できた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
マイクロ電池のオペランドタイコグラフィ測定を実現し、解析に成功し、正極・負極各電極層での充放電過程ので化学状態変化の可視化の高空間分解能化、単発リアルタイム測定を実現することができ、測定・解析法の基盤は確立できた。 ただ、正負極・固体電解質界面を一粒子に換えた粒子系マイクロ電池の構築についてはまだ課題が残っている。
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今後の研究の推進方策 |
薄膜型全固体電池については、他の電池系もしくはより詳細な電池現象のオペランドタイコグラフィ測定・解析による化学状態解析を深化させる。 正極の一部を粒子系にするなど、より正負極・固体電解質界面のレイアウトを高度化したマイクロ電池構築も併せて目指す。
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