研究課題/領域番号 |
22K05307
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分36020:エネルギー関連化学
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研究機関 | 一般財団法人ファインセラミックスセンター |
研究代表者 |
田口 綾子 (小西) 一般財団法人ファインセラミックスセンター, その他部局等, 研究員 (80759572)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2022年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | プロトン伝導体 / 第一原理計算 / PCFC / 熱平衡点欠陥濃度計算 / 空気極材料 / プロトン / 点欠陥 |
研究開始時の研究の概要 |
プロトン伝導性セラミックス燃料電池(PCFC)空気極にプロトン・電子混合伝導体材料を用いた場合、反応領域が増えることで性能が向上すると期待されている。導電率は濃度に依存することから、本研究課題では電荷キャリア濃度に着目し、第一原理計算を用いてペロブスカイト型酸化物空気極候補材料を母材とした熱平衡濃度欠陥を解析して各種ドーパント添加時の電荷キャリア濃度を評価する。その結果をもとに理論的にPCFC作動温度で高プロトン・高電子濃度となる母材とドーパントの組み合わせを探索し、PCFC空気極材料の設計指針を獲得することを目的とする。
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研究実績の概要 |
プロトン伝導性セラミックス燃料電池(PCFC)は,中温度域で作動する低コスト・高効率の次世代燃料電池として期待されているが,空気極材料では大きな過電圧を生じることがPCFC実用化における重要な問題の一つとなっている.プロトン-電子混合伝導体材料を空気極に用いた場合,反応領域が増え性能が向上すると期待されるため,中温度域でも高活性なプロトン-電子混合伝導体の開発が望まれている.しかしながら,ドーパントも含めるとその研究範囲は膨大であり,効率的な探索のための明確な材料設計指針が求められるが未だ確立はされていない.本研究では,理論的にPCFC作動温度で高プロトン・高電子濃度となるドーパントと母材の組み合わせを探索し,PCFC空気極材料の設計指針を獲得することを目的とする.これまで,LaCoO3及びLaCrO3の安定磁性探索を探索し,LaCoO3の単位格子を2x2x1に拡張した120原子を含むスーパーセル及びLaCrO3の単位格子を2x2x2に拡張した160原子を含むスーパーセルを基本構造ユニットとして,結晶の対称性を考慮した独立な点欠陥の配置探索を行うことで系統的な構造モデルを構築し,第一原理計算による配置ごとのエネルギー状態のエネルギー状態を定量評価,安定な配置を決定した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度に予定していたLaCoO3及びLaCrO3の安定磁性探索と内因性点欠陥及び水酸化物イオン欠陥の欠陥構造計算を行うことが出来たため,研究は概ね順調に進んでいる.
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今後の研究の推進方策 |
得られた欠陥形成エネルギーのデータを解析し,熱平衡欠陥濃度の温度依存性を解析する. 欠陥形成エネルギーは各原子の化学ポテンシャルの値に依存するが,計算で化合物を扱う場合,ある種の拘束条件を仮定しない限り,化合物中の各元素の化学ポテンシャルを一義的に決めることはできない.そこで,本研究では平衡状態にある相の共存条件から求める.そのため,平衡状態となり得る相を調査し,そのエネルギーを計算することで化学ポテンシャルを決定すし,欠陥濃度解析を試みる.実験的にドーパント効果が確認されているアルカリ土類金属Sr,Baをドープした欠陥モデルを作成し,熱平衡欠陥濃度解析によるドーパント添加時のプロトン量・電荷キャリア量の評価を試みる.
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