研究課題/領域番号 |
22K05309
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分37010:生体関連化学
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
桝尾 俊介 筑波大学, 生命環境系, 助教 (10767122)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | ピラジン / 含窒素複素環化合物 / ケモエンザイマティック合成 / 発酵生産 / ポリマー原料 |
研究開始時の研究の概要 |
ピラジンやピロールといった芳香環に窒素原子を含む含窒素複素環化合物は医薬、香料原料として重要である。また、次世代太陽電池などに利用される高機能性ポリマーの基本骨格として注目されている。本研究では、環二量化の分子設計概念に基づき設計した新規生合成経路を用いて、多様な含窒素複素環化合物をワンポット生産するシステムを開発する。本研究は、環境低負荷型の新たな合成システムであり、含窒素複素環化合物の構造多様化に貢献する。得られた化合物は半導体ポリマー原料などとして利用可能であり、太陽電池セルの開発など、SDGsの達成に大きく貢献する。
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研究実績の概要 |
本研究課題は様々なアルデヒド基質から多様な対称性含窒素複素環化合物をバイオ生産するシステムを構築するものである。これまでに、トランスアルドラーゼおよびデヒドロゲナーゼを用いた新たなピラジン生産経路を設計し、複数のピラジン化合物を微生物生産することに成功している。本年度は、基盤化合物である2’-5’-ジフェニルピラジンの生産経路の生産効率のさらなる向上を目指し種々の検討を行った。まず初めに、トランスアルドラーゼおよびデヒドロゲナーゼの精製酵素を用いたin vitro生産系の構築を行った。菌体反応時に比べると生産効率が低下したものの、in vitro生産系でも2’-5’-ジフェニルピラジンを生産することが可能であった。反応産物の解析から、トランスアルドラーゼによるベンズアルデヒドとグリシンのアルドール付加反応により生じるフェニルセリンが蓄積しており、その量は最終産物の2’-5’-ジフェニルピラジンの10倍以上であることが明らかとなった。デヒドロゲナーゼによるフェニルセリンの脱水素過程が本生産系の律速となっていることが示された。In vitro生産系を用いることで多段階の生産経路における律速段階を明確化することができた。これを受け、律速段階であるデヒドロゲナーゼの新規酵素の探索を行った。分子系統解析、3次元構造予測モデルなどを基に、新規酵素を3種選抜し、組換え大腸菌を用いてこれらの組換え酵素を取得した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度の成果により、次年度取り組む必要のある課題を明らかとすることができた。また、それらを実施するための解析基盤を構築することができた。
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今後の研究の推進方策 |
本年度に明らかとなった律速過程のデヒドロゲナーゼの選抜と改変を進める。2'-5'-ジフェニルピラジンの生産効率を向上させた後、他のピラジン化合物の生産に取り組む。この際、デヒドロゲナーゼの基質特異性が課題となると予想される。2'-5'-ジフェニルピラジンの生産で取得した種々のデヒドロゲナーゼの基質特異性に関する検討を行うことで、この課題をクリアする。
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