研究課題/領域番号 |
22K05316
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分37010:生体関連化学
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研究機関 | 奈良先端科学技術大学院大学 |
研究代表者 |
松尾 貴史 奈良先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 准教授 (50432521)
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研究分担者 |
長尾 聡 兵庫県立大学, 理学研究科, 特任助教 (30452535)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | メタセシス / ルテニウムーオレフィン相互作用 / カルコゲン元素 / ホベイダーグラブス錯体 / ホベイダ-グラブス錯体 / ルテニウム錯体移動反応 / 金属ーオレフィン相互作用 / 化学修飾 / ホベイダ-グラブス型錯体 |
研究開始時の研究の概要 |
生体分子化学の研究において、「標的生体分子の選択的化学修飾・標識」は重要な実験技術で あり、金属錯体触媒反応は高い官能基選択性から、その有用性が認識されている。しかし、金属錯体の疎水性、 水中での反応性低下といった問題点があり、生体分子化学研究のツールとしての適用は困難とされている。そこで、本研究を通して、「親水性ホベイダ-グラブス錯体」が、これらの問題を克服するのに有用であり、当該研究分野で実施される実験条件下で利用可能な生体分子修飾ツールであることを明らかにする。
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研究実績の概要 |
生体分子化学の研究において、「標的生体分子の選択的化学修飾・標識」は重要な実験技術であり、金属錯体触媒反応は高い官能基選択性から、その有用性が認識されている。しかし、金属錯体の疎水性、 水中での反応性低下といった問題点があり、生体分子化学研究のツールとし ての適用は困難とされている。そこで、本研究を通して、「親水性ホベイダ-グラブス触媒」が、これらの問題を克服するのに有用であり、当該研究分野で実施される実験条件下で利用可能な生体分子修飾ツールであることを明らかにする。昨年度、水中においてもルテニウムーオレフィン相互作用が機能することを見出したことを受け、今年度は、ホベイダ-グラブス触媒をルテニウムーオレフィン相互作用によって生体分子上に安定に固定化することを念頭に、ベンジリデン配位子上にカルコゲン元素を導入した触媒を合成し、カルコゲン元素による触媒錯体の安定性および反応性への寄与を検証した。ホベイダ-グラブス第2世代触媒(HG-II)と硫黄原子を有するベンジリデン配位子との化学量論的反応では、HG-IIの配位子部分が硫黄原子含有配位子と交換が観測された。その交換効率は80%程度であり、硫黄原子への導入によって触媒錯体が安定化していることが示された。ベンジリデン配位子上にカルコゲン元素を導入した触媒の有機溶媒中での活性は、HG-IIと比較すると反応初期速度では劣るが、メタノール等の極性溶媒中では、硫黄原子を配位子上に有する錯体の方がHG-IIよりも反応効率が高くなり、極性溶媒中での耐久性の向上が認められた。以上のことから、ホベイダ-グラブス型錯体を極性有機溶媒あるいは水中で利用する場合、配位子上にカルコゲン元素を配置させることで触媒を安定化し耐久性を向上させることが可能であることを明らかにできた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
親水性ホベイダ-グラブス触媒を生化学研究ツールとして用いるのに必須である「水中での安定性」について、配位子上にカルコゲン元素を配置させることが有効であることを見出した。
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今後の研究の推進方策 |
タンパク質のシステイン残基を、硫黄原子を有するベンジリデン配位子によって化学修飾し、親水性ホベイダグラブス錯体による「ルテニウム錯体移動反応」を行い反応効率を評価する。
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