研究課題/領域番号 |
22K05326
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分37020:生物分子化学関連
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
萩原 正規 弘前大学, 理工学研究科, 准教授 (40403000)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | アンチセンス核酸 / グアニン四重鎖 / 遺伝子発現制御 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究提案「新規修飾アンチセンスを用いた標的選択的なRNAグアニン四重鎖安 定化法の開発」では、短鎖核酸分子を用いて標的RNA中のグアニン四重鎖構造を選択的に 安定化する新たな方法論を確立し、グアニン四重鎖が関与するRNAの機能制御を試みる。 これまでのRNAグアニン四重鎖結合性合成小分子では困難な、標的遺伝子選択的にグアニン四重鎖安定化を達成できる本手法は、RNAグアニン四重鎖が関与する生物学的機能解明にも繋がる重要なものである。
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研究実績の概要 |
グアニン塩基に富むRNA配列は、DNA同様にグアニン四重鎖構造を形成することが知られている。ゲノムから転写されたmRNA配列中に存在するグアニン塩基に富む領域は安定なグアニン四重鎖構造を形成し、リボソームによるタンパク質への翻訳過程を阻害することが近年明らかにされ、グアニン四重鎖構造は遺伝子発現等に重要な役割を果たすことが理解されつつある。本研究では、予めグアニン四重鎖を形成するように設計した配列(例えば5'-GGGtGGGtGGGtGGG)を、アンチセンス核酸の末端部に導入した新たなアンチセンス核酸を作製し、タンデム型グアニン四重鎖構造体を人工的に模倣したRNA-DNAヘテロタンデム型四重鎖構造体を設計し、RNA中へのタンデム型グアニン四重鎖構造形成能、および、タンデム型四重鎖構造形成が遺伝子発現に及ぼす影響を解析することを目標としている。本年度は アンチセンスの5'末端側に導入したグアニン四重鎖構造の安定性に応じて、RNA中に形成されるグアニン四重鎖構造の安定性が変化することを逆転写酵素とキャピラリー電気泳動法を利用した構造解析法により明らかにした。また、アンチセンス領域を欠損させたグアニン四重鎖構造体のみでは安定なタンデム型グアニン四重鎖構造体形成は認められず、アンチセンス領域によるRNAとの配列特異的な2重鎖構造形成が、安定なRNA-DNAヘテロタンデム型四重鎖構造体形成に必要不可欠であることを明らかにした
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
申請者がこれまでに報告した、『グアニン四重鎖構造を誘導するアンチセンス核酸の開発』において作製した評価系(Journal of the American Chemical Society, 2010, 132, 11171-11178、Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters, 2010, 20, 2350-2353)を用いることで、速やかに本研究のコンセプトをである、モデル配列を用いたRNA-DNAヘテロタンデム型四重鎖構造体形成を評価することができた。
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今後の研究の推進方策 |
本年度の研究結果より、グアニン四重鎖構造体修飾アンチセンス核酸はRNA構造中に安定なタンデム型四重鎖構造を誘起することにより、逆転写の過程を阻害できることを明らかにした。今後、生物学的な安定性を向上させるために、有効な化学修飾法を開発するとともに、in vito無細胞タンパク質発現系や細胞を利用し、タンパク質翻訳過程を制御可能な修飾アンチセンス核酸の開発を進めていく。
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