研究課題/領域番号 |
22K05332
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分37020:生物分子化学関連
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研究機関 | 大阪公立大学 |
研究代表者 |
円谷 健 大阪公立大学, 大学院理学研究科, 教授 (00372855)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | シガテラ / シガトキシン / モノクローナル抗体 / 電位依存性ナトリウムチャネル / ハプテン |
研究開始時の研究の概要 |
シガテラは、熱帯、亜熱帯海域の魚類の摂取により発生する世界最大規模の自然毒食中毒である。大西洋やカリブ海域におけるシガテラの主要原因毒素であるカリブ海型シガトキシン(C-CTX)は、こ太平洋型シガトキシン(P-CTX)と比べて複雑な構造を有する。近年、C-CTXによる食中毒が世界的に拡大しつつあり、その予防対策は急務の課題である。C-CTXの予防には,C-CTXを特異的に認識する抗体を利用したC-CTXの微量検出法の確立が有効である。本研究では、低分子ハプテンを免疫することによるC-CTXを特異的に認識する抗体の作製およびこれを用いた微量検出法の開発を目的とする。
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研究実績の概要 |
カリブ海型シガトキシン(C-CTX)は,米国大西洋やカリブ海域におけるシガテラ食中毒の主要原因毒素である。この地域におけるシガテラの予防には、魚類からのC-CTXの微量検出法を確立することが必要であるが、そのためにはC-CTXを特異的に認識する抗体の作製が必須である。本研究では、低分子ハプテンを免疫することによるC-CTXを特異的に認識する抗体の作製およびこれを用いた微量検出法の開発を目的とする。 本年度は、昨年度に引き続きリンカー部をハイドロカーボンとしたハプテンを用いたモノクローナル抗体の作成について検討した。これまでに合成したリンカー部をハイドロカーボンとしたハプテンをマレイミド法によりキャリアタンパク質(BSAおよびKLH)と縮合して抗原として免疫した。3回免疫後のマウスより脾臓を摘出し、脾臓細胞とミエローマ細胞とを電気細胞融合法により細胞融合した。細胞融合を数回行った結果、ハプテン-BSAを認識するモノクローナル抗体を100種類以上獲得した。これら、モノクローナル抗体について、遊離のハプテンを用いて阻害実験を行ったところ、数種のモノクローナル抗体を弱く結合することが明らかとなった。25H8について大量培養して、C-CTXとの結合力を評価したが、目的とするハプテンに対して強い結合は見られなかった。 ヴィゴ大学より供与されたC-CTXサンプルを用いて、Neuro 2A細胞を用いた細胞阻害実験を行った。その結果、EC50が8 ng/mLと高い細胞増殖阻害活性を示した。今後、この系をもちいて、抗体の結合阻害実験を行い、得られたモノクローナル抗体のC-CTXに対する結合力を評価する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度は、新たな5環性ハプテンを用いた免疫を実施することにより、数多くのハイブリドーマを獲得することに成功した。また、新たに獲得したC-CTXの細胞毒性試験を行い、従来の太平洋型シガトキシンと同等の毒性を示すことを明らかにした。これらの結果より、おおむね順調に進展していると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
(1) C-CTX右端構造を認識するモノクローナル抗体の調製:今後、25H8を大量培養し、C-CTXに対する結合活性などを求め、機能解析する。特にNeuro 2A細胞を用いて抗体存在下における細胞毒性試験を行い、実際にモノクローナル抗体がC-CTXを認識するか評価する。 (2) サンドイッチELISA法によるC-CTXの高感度微量検出法の確立:C-CTX左端構造を認識する抗体あるいは右端構造を認識する抗体のいずれかをアルカリフォスファターゼ(ALP)で標識し、これらを用いたサンドイッチELISA法によるC-CTXの検出を検討する。高感度化を目指して、諸条件を検討し、高感度でC-CTXを検出可能な条件を見出す。
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