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ラジカル感受性ペプチドシグナルの探求

研究課題

研究課題/領域番号 22K05354
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分37030:ケミカルバイオロジー関連
研究機関福島県立医科大学 (2023)
京都大学 (2022)

研究代表者

竹本 靖  福島県立医科大学, 医学部, 講師 (50453543)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
キーワードケミカルバイオロジー / ラジカル / タンパク質分解
研究開始時の研究の概要

本研究では、従来、非選択的と考えられてきたラジカルによるタンパク質分解が、実は選択性を有してタンパク質分解を誘導するのではないかという仮説のもと、研究を進める。まず、申請者等が発見したラジカル感受性ペプチドに着目し、1)ラジカル感受性ペプチドシグナルの発見、2)ラジカル感受性タンパク質の探索と理解、の二点について研究を行う。本研究は申請者自身の発見を切り口としており、独自性の高い研究を展開できると考えられる。また、神経変性疾患や虚血等の様々な疾患では、過剰にラジカルが生成することで病態が悪化する。従って、本研究を遂行することで、上記疾患の病態の進行の解明や治療薬の開発への貢献が期待される。

研究実績の概要

これまでに申請者は、スクアレン合成酵素(SQS)の阻害剤であるYM-53601を細胞に添加し、紫外線を照射すると、紫外線照射によりYM-53601が開裂してラジカルを生成し、これが起点となってSQSが分解されること、そしてSQSのC末領域(371-397)が、このタンパク質分解に重要であることを見出した。このことは、従来非選択的と考えられていたラジカルによるタンパク質分解が、実は選択性を有してタンパク質分解を誘導している可能性を示唆する。そこで、本研究では、ラジカルによる分解に必要なラジカル感受性ペプチドシグナルを発見し、その生理的役割を解明することを目的とした。昨年度は、ラジカル、あるいはROSの産生により分解が誘導されるタンパク質を質量分析により網羅的に同定した。本年度は、同定したタンパク質の中で、ROSの一つである過酸化水素処理により発現量が低下したタンパク質に着目し、さらに詳細に解析した。同定された約1200個のタンパク質中、過酸化水素処理により50%以下に発現量が低下したタンパク質は48個存在した。その中で、細胞内で過酸化水素が発生する主なオルガネラの一つであるミトコンドリアに局在するタンパク質に着目したところ、11個存在した。これらについて、ウェスタンブロッティング法により検討したところ、タンパク質Xの発現量が過酸化水素処理により速やかに減少することを見出した。この過酸化水素処理によるタンパク質Xの発現量の低下は、還元型グルタチオンの添加で抑制された一方、プロテアソーム阻害剤やオートファジー阻害剤では阻害されなかったことから、細胞に備わったタンパク質分解系によるものではないと推察される。一方、試験官内で、細胞抽出液に過酸化水素を添加したところ、タンパク質Xが選択的に減少した。従って、過酸化水素によりタンパク質Xは直接分解されている可能性が考えられる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

ROSの一つである過酸化水素により、直接分解される可能性のあるタンパク質を同定することができたから。

今後の研究の推進方策

今回同定したタンパク質Xの欠損変異体を作製し、どの領域が過酸化水素処理による分解に重要であるか、同定する。また、同定した領域を任意のタンパク質に融合し、過酸化水素処理により分解が誘導されるか、確認する。さらに、同定した領域と相同性の高い配列を有するタンパク質に着目し、同様に分解が誘導されるか検討する。タンパク質Xの過酸化水素処理による分解の生理的役割についても解析する。

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 研究成果

    (7件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] An Improved and Scalable Synthesis of the Potent SREBP Inhibitor KK-052 via [3+2] Cycloaddition2023

    • 著者名/発表者名
      Kittaka Atsushi、Kawagoe Fumihiro、Mototani Sayuri、Takemoto Yasushi、Uesugi Motonari
    • 雑誌名

      Synthesis

      巻: 56 号: 09 ページ: 1460-1464

    • DOI

      10.1055/a-2236-0413

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] Structure?activity relationship studies on vitamin D-based selective SREBP/SCAP inhibitor KK-0522023

    • 著者名/発表者名
      Kawagoe Fumihiro、Mototani Sayuri、Mendoza Aileen、Takemoto Yasushi、Uesugi Motonari、Kittaka Atsushi
    • 雑誌名

      RSC Medicinal Chemistry

      巻: 14 号: 10 ページ: 2030-2034

    • DOI

      10.1039/d3md00352c

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] Self-assembling small-molecule adjuvants as antigen nano-carriers2022

    • 著者名/発表者名
      Jin Shuyu、Zhuo Shao-hua、Takemoto Yasushi、Li Yan-mei、Uesugi Motonari
    • 雑誌名

      Chemical Communications

      巻: 58 号: 87 ページ: 12228-12231

    • DOI

      10.1039/d2cc05016a

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [学会発表] プロテオミクスによるX線照射により分解されるタンパク質の同定2023

    • 著者名/発表者名
      竹本靖、竹本操、吉本由哉、鈴木義行
    • 学会等名
      第149回日本医学放射線学会 北日本地方会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 心筋分化促進化合物KY02111の標的分子の同定2022

    • 著者名/発表者名
      竹本靖、門田真、南一成、大塚慎也、奥田聡、プンザラン リーン ルービー、 シェン ヤン、柴祐司、上杉志成
    • 学会等名
      日本ケミカルバイオロジー学会第16回年会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] TMEM43によるSREBPシグナルの制御2022

    • 著者名/発表者名
      ツェレンダグバ マンチル、竹本靖、上杉志成
    • 学会等名
      日本ケミカルバイオロジー学会第16回年会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] ビタミンD代謝産物による脂質ベータ酸化とカルニチン生合成の制御2022

    • 著者名/発表者名
      竹本靖、Mendoza Aileen、Cruzado Kevin Tan、Masoud Shadi Sedghi、永田亜希子、Tantipanjaporn Ajcharapan、奥田聡、川越文裕、坂本良太、小田木陽、本谷小佑里、冨樫萌香、川谷誠、青野晴美、長田裕之、中川勇人、東達也、橘高敦史、長澤和夫、上杉志成
    • 学会等名
      第64回天然有機化合物討論会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書

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公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

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