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ゲノム編集によるバクテリオファージ特性の改変とLLBファージの応用に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 22K05384
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分38020:応用微生物学関連
研究機関九州大学

研究代表者

益田 時光  九州大学, 農学研究院, 助教 (90778060)

研究分担者 本城 賢一  九州大学, 農学研究院, 准教授 (00264101)
宮本 敬久  九州大学, 農学研究院, 教授 (70190816)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2025年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
キーワードバクテリオファージ / ゲノム編集 / リーダーレスバクテリオシン / CRISPR-Cas / leaderless bacteriocin / bacteriophage / tail fibers
研究開始時の研究の概要

本研究では、食中毒細菌の制御を目的として、CRISPR -Casシステムに代表されるゲノム編集技術を用いたバクテリオファージ(以降ファージ)遺伝子改変技術の基盤の構築と改変ファージの応用を目指す。特に、ファージの宿主特異性を担うテイルファイバーについての改変や、宿主菌のゲノム中にファージゲノム情報が入り込んでしまう溶原化に関連する遺伝子を特定、取り除くことで安全性の高い溶菌ファージに変換することなどを目指す。また、宿主菌のファージ耐性化を防ぐための抗菌力強化のために、3)抗菌ペプチドリーダーレスバクテリオシン(LLB)産生ファージ(以降LLBファージ)の作製とその応用についての検討を行う。

研究実績の概要

本研究では、食中毒細菌の制御を目的として、CRISPR -Casシステムに代表されるゲノム編集技術を用いたバクテリオファージ(以降ファージ)遺伝子改変技術の基盤の構築と改変ファージの応用を目指し、以下の研究を行う。ゲノム編集によるファージ特性の改変として、1)複数テールファイバー(以降TF)遺伝子を保持するファージ(マルチテールファイバーファージ:以降MTFファージ)における宿主特異性とTF遺伝子の関連性の解明とその応用、2)溶原化関連遺伝子群や毒性遺伝子をゲノム編集によって取り除き、有用な溶菌ファージへと特性を改変させることを目指して研究を進めてきた。また、ファージ耐性化を防ぐための抗菌力強化のために、3)抗菌ペプチドリーダーレスバクテリオシン(LLB)産生ファージ(以降LLBファージ)の作製とその応用についての検討を進めてきた。
MTFファージについては、大腸菌ファージECP52において、gp136,137の2遺伝子が宿主域の可変性に関与していることが示され、ECP52は複数の宿主認識機構を利用して感染していることが示唆された。
溶原化関連遺伝子については、これまでにintegraseやlexAなどの4遺伝子の発現が一定でなく、CRISPR-Cas10による編集が困難となっており、S. aureusにおけるCRISPR-Cas9ゲノム編集システムの構築を現在進めている。
LLBファージについては、S. aureus感染性のPSARaを用いて作ったL-vPSARaなどを用いて、S. aureusのバイオフィルムに対する抗菌活性などを調べた結果、オリジナルよりも非常に活性が高いことが示された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

MTFファージにおいては、ECP52における可変的な宿主域に重要な2遺伝子の特定ができた。当初の予定ではファージゲノムに外来のTF遺伝子を導入する予定であったが、ゲノム編集の困難さ等を鑑みて、現在は宿主自身にTF遺伝子を発現させた状態で溶原ファージを感染させる方法でMTFファージの作製を試みている。
溶原化関連遺伝子の欠損については、4遺伝子の個別の欠損を試みてきたが、これまで用いてきたCRISPR-Cas 10システムがそれぞれの遺伝子の発現状態に依存してしまうため、より汎用性の高いCRISPR-Cas9システムの構築を進めている。
LLBファージについては、E. coliファージ、S. aureusファージ共に良い結果が得られており、2024年度中に論文投稿を目指す。
以上のように、溶原化関連遺伝子については少し遅れが生じているが、LLBファージやMTFファージの方で予定以上に進展しているといえるため、総じて概ね順調にきているといえる。

今後の研究の推進方策

今後は、T4ファージの宿主大腸菌にECP52由来のTF遺伝子を発現させ、そこにT4ファージを感染させることでシングルユースなMTFファージの作製を目指す。また、ECP52において確認されたgp136,137の可変的な宿主域への関連性を、T4ファージ内の類似遺伝子の欠損を行うことでさらに解析していく。
溶原化関連遺伝子については、CRISPR-Cas9システムの構築、各遺伝子の欠損をおこなっていく予定である。
LLBファージについては、特にS. aureusファージを用いてより強力で汎用性の高いLLBファージの構築を目指して実験を進めていく。

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 研究成果

    (6件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] Characterization of selected phages for biocontrol of food-spoilage pseudomonads2024

    • 著者名/発表者名
      Johno Daisuke、Zhang Yu、Mohammadi Tahir Noor、Zhao Junxin、Lin Yunzhi、Wang Chen、Lu Yuan、Abdelaziz Marwa Nabil Sayed、Maung Aye Thida、Lin Chen-Yu、El-Telbany Mohamed、Lwin Su Zar Chi、Damaso Catherine Hofilena、Masuda Yoshimitsu、Honjoh Ken-ichi、Miyamoto Takahisa
    • 雑誌名

      International Microbiology

      巻: - 号: 4 ページ: 1333-1344

    • DOI

      10.1007/s10123-023-00479-2

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] Screening of genes involved in phage-resistance of <i>Escherichia coli</i> and effects of substances interacting with primosomal protein A on the resistant bacteria2023

    • 著者名/発表者名
      Lin Chen-Yu、Murayama Tomoka、Futada Koshiro、Tanaka Shota、Masuda Yoshimitsu、Honjoh Ken-ichi、Miyamoto Takahisa
    • 雑誌名

      Journal of Applied Microbiology

      巻: 135 号: 1

    • DOI

      10.1093/jambio/lxad318

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] Potential application of phage vB_EfKS5 to control Enterococcus faecalis and its biofilm in food2023

    • 著者名/発表者名
      El-Telbany Mohamed、Lin Chen-Yu、Abdelaziz Marwa Nabil、Maung Aye Thida、El-Shibiny Ayman、Mohammadi Tahir Noor、Zayda Mahmoud、Wang Chen、Zar Chi Lwin Su、Zhao Junxin、Masuda Yoshimitsu、Honjoh Ken-ichi、Miyamoto Takahisa、El Mohamed
    • 雑誌名

      AMB Express

      巻: 13 号: 1

    • DOI

      10.1186/s13568-023-01628-6

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] Isolation, characterization of <i>Enterococcus</i> phages and their application in control of <i>E. faecalis</i> in milk2023

    • 著者名/発表者名
      Wang Chen、Zhao Junxin、Lin Yunzhi、Yuan Lu、El-Telbany Mohamed、Maung Aye Thida、Abdelaziz Marwa Nabil Sayed、Masuda Yoshimitsu、Honjoh Ken-ichi、Miyamoto Takahisa
    • 雑誌名

      Journal of Applied Microbiology

      巻: 134 号: 11

    • DOI

      10.1093/jambio/lxad250

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [学会発表] Leaderless bacteriocin producing phage against enterohemorrhagic Escherichia coli2023

    • 著者名/発表者名
      Masuda Y., Uedoi T., Mohammadi T. M., Honjoh K., Miyamoto T.
    • 学会等名
      FEMS2023
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] 大腸菌ファージECP52の可変的宿主特異性と宿主認識構造に関する研究2023

    • 著者名/発表者名
      末安華、益田時光、本城賢一、宮本敬久
    • 学会等名
      令和5年度日本食品科学工学会年次大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

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公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

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