研究課題/領域番号 |
22K05395
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38020:応用微生物学関連
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
松井 大亮 立命館大学, 生命科学部, 助教 (40748513)
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研究分担者 |
平田 佳之 大阪医科薬科大学, 薬学部, 助教 (00745854)
榊原 一紀 富山県立大学, 工学部, 教授 (30388110)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | L-アミノ酸酸化酵素 / 機械学習 / ロジスティック回帰分析 / 統計解析 / 可溶性発現 / アミド合成 / ケモエンザイマティック反応 / アミド化合物合成 / 酵素 / ケト酸 |
研究開始時の研究の概要 |
ケト酸とヒドロキシルアミンをL-アミノ酸から酵素で生産し、連続して有機合成反応でアミド化合物に変換するケモエンザイマティック反応による合成法「アミド化合物合成プラットフォーム」を確立する。大腸菌で可溶性発現が難しい酵素の利用が必須なため、機械学習で可溶性発現方法を開発する。その計算機で予測した部位に変異導入することで可溶性発現する変異型酵素を生産する。また、この合成プラットフォームで複数のアミド化合物を調製し、実用性試験としてがん細胞の増殖に関与する酵素の阻害剤の探索に展開する。可溶性発現技術の開発や合成法の実用性試験は、酵素学以外の様々な研究分野で利用でき、環境に優しい技術の拡張に繋がる。
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研究実績の概要 |
変異導入による異種酵素の可溶性発現量の向上に着目し、特にその予測法を統計解析や機械学習により挑戦した【課題①】。またそれで得られた酸化酵素を用いて、研究代表者らが以前確立したケト酸を介したアミド化合物の合成を実施した【課題②】。 【課題①-1】L-アミノ酸酸化酵素(LAO)のアミノ酸配列から等間隔に変異部位を108残基選抜し、変異導入による発現量を比較した。その際、アミノ酸の疎水性度が可溶化と密接な関連があることから(Sci. Rep., 7, 9558, 2017)、親水性アミノ酸はアラニンに、疎水性アミノ酸はセリンに置換した。その結果、16種類の変異型酵素の活性値は野生型酵素よりも上昇し、92種類の変異型酵素の活性値は野生型酵素よりも減少する結果となった。ロジスティック回帰分析の結果、可溶性発現に関与する特徴を明らかにした。さらに、ロジスティック回帰分析から得られた候補部位を重複変異を導入した結果、野生型酵素よりも可溶性発現量とLAO活性が2. 64倍上昇する結果となった。そのリフォールディング実験を実施し、変異型酵素のフォールディング能が野生型酵素の2.0倍程度高い結果となり、この変異が異種フォールディングに関与していることを明らかにした。【課題①-2】得られた統計解析による予測や、昨年度開発した学習器を用いた、様々な酵素の変異導入実験を実施した。【課題②】課題①-1の手法で可溶性に発現させたLAOを用いてケト酸を合成し、次いでヒドロキシアミンとの重合により、アミド化合物の合成に成功した。また96穴プレートを用いた様々なアミド化合物を合成し、ライブラリー合成を実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
【課題①-1】変異導入によるLAOの異種発現量の向上が可能となった。またその際に得られた統計解析から、異種発現に関与する特徴(ユークリッド距離、グリシン、メチオニン、ヘリックス)を明らかにした。【課題①-2】機械学習器を形式概念分析という手法でひも解くことで、異種発現に関与する特徴を明らかにした。これらの実験について、特許申請を実施した。【課題②】論文執筆を行い、現在査読中である。
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今後の研究の推進方策 |
【課題①】統計解析や機械学習器を使用して、これまで異種発現が難しかった酵素の発現に挑戦する。またこれらに関する論文執筆および、学会発表を行う。【課題②】論文を掲載する。
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