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鉄の獲得に着目したパルミトレイン酸生産菌の改良

研究課題

研究課題/領域番号 22K05404
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分38020:応用微生物学関連
研究機関信州大学

研究代表者

竹野 誠記  信州大学, 学術研究院農学系, 准教授 (30422702)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
キーワードコリネバクテリウム グルタミカム / パルミトレイン酸 / 脂肪酸生合成 / 脂肪酸不飽和化酵素 / 鉄獲得
研究開始時の研究の概要

機能性脂肪酸としてパルミトレイン酸(POA)が注目を集めている。我々は,コリネ菌を用いて,POAを生産する菌を育種してきた。その解析を通して,細胞外から鉄を獲得する能力を高めれば,高性能なPOA生産菌を創出できるという着想に至った。しかし,本菌種における鉄獲得のメカニズムについてはほとんどわかっていない。本研究課題は,このメカニズムに関わる遺伝子を同定し,強化することで鉄の獲得能を高め,POA生産菌の改良を試みるものである。

研究実績の概要

我々は,産業微生物であるコリネ菌(Corynebacterium glutamicum)を用いて,機能性脂肪酸であるパルミトレイン酸(POA,C16:1Δ9)を生産する菌株を育種してきた。その解析を通して,鉄の獲得に関わると推定される多数の遺伝子のリプレッサーとして働くDtxRの機能弱化変異が,この生産菌のPOA合成を可能にしていることを突き止めた。POA合成に関わる酵素が鉄酵素であることと合わせて,『鉄獲得のメカニズムを強化すれば,より高性能なPOA生産菌を創出できる』という着想に至った。しかし,本菌種のそのようなメカニズムについてはほとんどわかっていない。本研究では,コリネ菌の鉄獲得に関わる遺伝子の同定を試みる。我々が目的とする遺伝子は,DtxRが発現を抑制する遺伝子の中に存在すると想定される。
抗生物質ストレプトニグリンは,細胞内の鉄イオンで活性化されてフリーラジカルを生じ,DNAの損傷を引き起こして細胞死をもたらす。他菌種では,ストレプトニグリンの耐性形質を指標に,鉄獲得の変異株が取得されている。令和5年度は,上述のPOA生産菌からストレプトニグリン耐性株を多数取得した。さらに,それらのすべてに対して生育特性解析を進めた。その結果,鉄の利用能が低下した変異株を取得するに至った。変異株を全ゲノム解析に供したところ,ABCトランスポーターのコンポーネントをコードすると予想される遺伝子に変異が見いだされた。この遺伝子が本菌種の鉄獲得に関わっていると考えられる。なお,同遺伝子についてはDtxRのレギュロンメンバーであることは報告されているものの,その機能については全く未知である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本菌種の鉄獲得に関わると考えられる遺伝子を取得することができたため。

今後の研究の推進方策

見出された遺伝子の機能解析を進める。令和6年度は,同遺伝子の破壊がPOA生産菌の鉄獲得能にどのような影響を与えるのか,さらに,同遺伝子の高発現がPOA生産菌の鉄獲得能を向上させ,これがPOA生産の効率化につながるのかどうかを検証する。

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 研究成果

    (3件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Metabolic engineering to produce palmitic acid or palmitoleic acid in an oleic acid-producing Corynebacterium glutamicum strain2023

    • 著者名/発表者名
      Seiki Takeno, Yosuke Hirata, Kako Kitamura, Tatsunori Ohtake, Kuniyoshi Aoki, Noriko Murata, Mikiro Hayashi, Masato Ikeda
    • 雑誌名

      Metab Eng

      巻: 78 ページ: 148-158

    • DOI

      10.1016/j.ymben.2023.06.002

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] コリネ型細菌によるパルミトレイン酸の生産(第四報)2023

    • 著者名/発表者名
      〇平田 陽祐,竹野 誠記,池田 正人
    • 学会等名
      日本農芸化学会 2023年度大会(広島),2B07-03,2023年3月15日
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] コリネ型細菌のBirAが単機能型とする定説の再検証(第一報)2023

    • 著者名/発表者名
      〇水野 聖夜,西原 一毅,津久井 裕太,原 志門,竹野 誠記,池田 正人
    • 学会等名
      日本農芸化学会 2023年度大会(広島),2B07-04,2023年3月15日
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書

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公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

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