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細胞間コミュニケーションを介した寿命延長機構の解明とその発酵制御への展開

研究課題

研究課題/領域番号 22K05416
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分38020:応用微生物学関連
研究機関新潟薬科大学

研究代表者

山崎 晴丈  新潟薬科大学, 応用生命科学部, 准教授 (20456776)

研究分担者 小島 勝  新潟薬科大学, 応用生命科学部, 助教 (50410220)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
キーワード分裂酵母 / 経時寿命 / 寿命延長 / 細胞間コミュニケーション / 寿命延長分子
研究開始時の研究の概要

微生物による発酵生産では,アルコール発酵など増殖期よりも定常期における発酵力が重要な場合がある。その際,定常期における酵母の寿命(経時寿命)を伸ばすことが発酵生産性を向上させる上で肝要であると考えられる。申請者が取得した長寿命変異株の培養上清には他の酵母に作用する寿命延長分子が分泌されていると考えられた。本研究では細胞間コミュニケーションに関与する寿命延長分子の同定と,寿命延長分子が関与する寿命延長経路で機能する遺伝子(蛋白質)の同定とを目的とする。さらに,その寿命延長分子を産業酵母に作用させ,有用物質である油脂やアルコールの生産性向上に向けた技術的基盤の確立を目指す。

研究実績の概要

本年度も計画に基づき、A. 寿命延長分子の同定、 B. Mot1、Asr1の下流の因子の同定、C. 長寿命因子の下流因子の同定を行った。
Aについては別予算で実施した培養上清のメタボローム解析の結果から、ピルビン酸、ホモシステイン、チロソールが寿命延長分子の候補として抽出されていた。チロソールは前年の薄層クロマトグラフィーを用いた解析でも寿命延長分子の候補として抽出していた。そこで本研究では、培養3日目の野生型株に100 uM、10 uM、1 uMになるようにこれらの物質を添加し、経時寿命を測定した。その結果、1 uMピルビン酸、1 uMホモシステインの添加で寿命の延長が確認された。また昨年同様に10 uM チロソールの添加でも野生型株の寿命の延長が確認された。また、チロソール合成経路を予想し、昨年度実施したRNA sequencing解析からWTと長寿命株のチロソール合成に関与する遺伝子発現を比較したところ、特にadh1+、pdc101+、pdc201+、cao2+について遺伝子発現が向上していることが判明した。
B、Cについては、昨年のRNA-seq解析から見出されたKK268とmot1-1が寿命延長物質を分泌するのに関与する可能性がある遺伝子11個、およびWTが寿命延長物質を受容し寿命 延長するのに関与する可能性がある遺伝子13個に加え、チロソール合成に関与すると考えられるadh1+についても、mot1-1株および野生型株において破壊株を作製した。
また、2%グルコース培地では野生型株が時に寿命延長することがあったため、確実に野生型株が寿命延長しない条件を探索し、4%グルコース培地が適当であることを見出した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

寿命延長分子である可能性のある分子をさらに同定し、寿命延長分子の合成、分泌、受け取りに関する候補遺伝子の破壊株をすべて作製することができたため、順調に進んでいると判断した。

今後の研究の推進方策

Aの寿命延長分子の同定については、培地を4%グルコース培地に変更するにあたり、一度メタボローム解析をやり直す。また培養上清を酢酸エチルで分画後、疎水性画分について薄層クロマトグラフィーで更に分画して寿命延長活性のある画分を分析する。
B、Cの寿命延 長分子の合成、分泌、受け取りに関与する遺伝子に関する解析では、関連が示唆されている遺伝子の破壊株をの寿命を測定し、寿命延長への関与を検討する。絞り込まれた遺伝子については野生型株での高発現株を作製し、ジュモウ延長するか解析する。
Dの産業酵母での寿命延長経路の普遍性と実用性の検討では、油脂酵母 Lipomyces starkeyi と清酒酵母 Saccharomyces cerevisiae にmot-1の変異を導入し、それらの酵母で寿命が延長し、発酵生産物の生産性が向上するか解析する。

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 研究成果

    (3件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Optimization of the CRISPR/Cas9 system using adh1 promoter derivatives in fission yeast2023

    • 著者名/発表者名
      Miori Saito, Hidenori Nakaoka, Aki Hayashi, Hiroaki Takaku, and Harutake Yamazaki
    • 雑誌名

      microPublication biology

      巻: 2023

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] Schizosaccharomyces pombeにおける細胞間コミ ュニケーションを介した寿命延長機構の解明2023

    • 著者名/発表者名
      齋藤 美織, 稲垣 尚悟, 唐澤 健太, 高久 洋暁, 山崎 晴丈
    • 学会等名
      日本農芸化学会2023年度大会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] Schizosaccharomyces pombeにおける細胞間コミ ュニケーションを介した寿命延長機構の解明2022

    • 著者名/発表者名
      齋藤 美織、刈谷 静夏、唐澤 健太、高久 洋暁、山崎 晴丈
    • 学会等名
      第45回日本分子生物学会年会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書

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公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

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