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プロドラッグ合成を指向した微生物によるアミン化合物のγ-グルタミル化の解析

研究課題

研究課題/領域番号 22K05418
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分38020:応用微生物学関連
研究機関関西大学

研究代表者

岩木 宏明  関西大学, 化学生命工学部, 教授 (00368200)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
キーワードγ-グルタミル中間体 / γ-グルタミルアミド合成酵素 / アミン分解 / アミン分解菌 / ニトロ化合物分解菌 / 分解経路 / 4-アミノ安息香酸 / γ-グルタミル化 / γ-グルタミル化合物合成酵素 / γ-グルタミル化合物 / 芳香族アミン / 微生物分解 / 微生物生産
研究開始時の研究の概要

申請者は、γ-グルタミル化合物の生成が生体異物アミンの代謝において重要な役割を果たしていると考えている。更に、γ-グルタミル化合物はプロドラッグとしても有用である。また、アミン化合物は、工業的に重要な化合物であるだけでなく、ニトロおよびアミド化合物の分解生成物としても生じる。本課題では、微生物機能を利用したγ-グルタミル化合物合成、排水処理・バイオレメディエーションのための基礎的知見を得るため、申請者保有菌株、新規分離株、配列データベースなどから、γ-グルタミル化を含むアミン代謝経路を検索・同定するとともにγ-グルタミル化合物合成酵素およびその他代謝関連酵素の機能および特性を解明する。

研究実績の概要

2023年度は、Paraburkholderia terrae KU-15株の4-アミノ安息香酸分解機構の解明を試みた。具体的には、4-ニトロ安息香酸分解経路の初発酵素遺伝子(pnbA, 4-nitrobenzoate nitroreductase遺伝子)と2段階目の遺伝子 (pnbB, 4-hydroxylaminobenzoate lyase遺伝子)間の約9-kbの領域内に見出されたpabクラスター(pabB1AB2B3C)が、4-アミノ安息香酸分解遺伝子群であると推定し、その機能を実験的に解析することで分解機構を解析した。まず、RT-PCRによりpabクラスターが4-アミノ安息香酸によって誘導発現すること、オペロン(pabオペロン)を形成していることを明らかにした。次にKU-15株のpab遺伝子欠損解析によりpabオペロンが4-アミノ安息香酸の分解に必須であることを示した。さらに、pab遺伝子の大腸菌異種発現によりpabオペロンが4-アミノ安息香酸の分解に直接関与することを明らかにした。これらの解析を通じ、経路の第一段階はグルタミン合成酵素様PabAによるγ-グルタミル中間体(γ-グルタミル-4-カルボキシアニリド)の生成であり、続いてγ-グルタミル-4-カルボキシアニリドがマルチコンポーネント型芳香環ジオキシゲナーゼPabB1B2B3により水酸化されることを示した。また、γ-グルタミル-4-カルボキシアニリドが水酸化された化合物は自発的にプロトカテク酸へ変換することを示唆する結果を得た。PabCはγ-グルタミル-4-カルボキシアニリドを加水分解して4-アミノ安息香酸とグルタミン酸に加水分解する酵素であり、γ-グルタミル-4-カルボキシアニリドが過剰に蓄積することを防いでいることが示唆された。最後にPabA, PabB1B2B3, PabCの特性を解明した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

2023年度は、(1) Paraburkholderia terrae KU-15株の推定4-アミノ安息香酸分解系遺伝子クラスター(pabクラスター)が実際に4-アミノ安息香酸の分解に関与すること、(2) KU-15株の4-アミノ安息香酸分解経路 (γ-グルタミル中間体であるγ-グルタミル-4-カルボキシアニリドを経由すること)の解明、(3)個々のPab遺伝子の機能解明、(3)分解系酵素の特性解析を目標としていたが、それらを概ね達成することができた。

今後の研究の推進方策

Paraburkholderia terrae KU-15株(4-アミノ安息香酸分解系)、Pseudomonas sp. KU43P(ピペリジン分解系)以外のアミン化合物分解菌のゲノム解析を行い、γ-グルタミル中間体を経由する経路の候補を探索する。γ-グルタミルアミド合成酵素候補遺伝子の機能を実験的に解明し、γ-グルタミル化合物合成のための基礎的知見を得る。

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて 2024 2022

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] Identification and characterization of a pab gene cluster responsible for the 4-aminobenzoate degradation pathway, including its involvement in the formation of a γ-glutamylated intermediate in Paraburkholderia terrae strain KU-152024

    • 著者名/発表者名
      Yaxuan Liu, Kenji Okano, Hiroaki Iwaki
    • 雑誌名

      Journal of Bioscience and Bioengineering

      巻: 137 号: 1 ページ: 38-46

    • DOI

      10.1016/j.jbiosc.2023.11.002

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] Complete Genome Sequence of Paraburkholderia terrae Strain KU-15, a 2-Nitrobenzoate-Degrading Bacterium2022

    • 著者名/発表者名
      Liu Yaxuan、Okano Kenji、Iwaki Hiroaki
    • 雑誌名

      Microbiology Resource Announcements

      巻: 11 号: 7 ページ: 1-3

    • DOI

      10.1128/mra.00373-22

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス

URL: 

公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

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