研究課題/領域番号 |
22K05424
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38030:応用生物化学関連
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
吉田 尚史 筑波大学, 生存ダイナミクス研究センター, 助教 (90724774)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | スプライシング / マイナーイントロン / ZRSR2 / X線結晶構造解析 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、立体構造解析および相互作用解析によって、ZRSR2のRNA認識機構および変異体によるスプライシング異常のメカニズムを明らかにする。これまで、ZRSR2とRNAの結合について直接調べられた研究は報告例がない。そこで本研究では、ZRSR2タンパク質を大量に調製しX線結晶構造解析や相互作用解析によって、ZRSR2とRNAの結合を直接的に調べていく。
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研究実績の概要 |
高等生物のDNAは、タンパク質として翻訳される領域(エキソン)だけでなく翻訳されない領域(イントロン)を含んでいる。イントロンはRNA転写後にスプライシングにより取り除かれるが、その取り除きに関しては厳密な正確さが要求され、取り除く部位が1塩基でもずれると、病気の原因となる。特に、全イントロンのわずか0.3 %はマイナーイントロンとして重要な遺伝子のみに含まれており通常とは異なる機序でスプライシングされる。本研究対象のZRSR2タンパク質は、マイナーイントロンのスプライシング開始段階においてスプライシング部位を認識する働きをもち、その変異が血液がんの患者において高頻度に確認されることが報告されている。そこで本研究では、ZRSR2とスプライシング部位RNAについて立体構造解析や相互作用解析を行い、ZRSR2によるスプライシング部位の認識機構およびZRSR2変異体による病気発症機構を明らかにする。 本研究では、RNA認識機構の解明に向けた原子分解能レベルでの構造解析を目的とするため、X線結晶構造解析を行う予定である。タンパク質を結晶化させるには、高純度かつ均一な試料が大量に必要とされるため、2022年度では主にタンパク質試料の大量調製について探索を行ってきた。当初、ZRSR2の収量は低く安定性も悪いという問題があったが、共発現系の構築や発現条件を検討することで、高純度なZRSR2のタンパク質試料を大量に調製することができた。今後、この試料を用いて結晶化スクリーニングを実施していく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
これまでに、ZRSR2タンパク質の試料調製を中心に実験を進めてきた。ZRSR2は、単体として発現させると収量が少なく不安定であったが、共発現系を構築しタンパク質複合体として精製することで、安定化されることがわかった。さらに、ZRSR2の発現条件を検討することで、その複合体が解離しやすいという問題も解決することができた。また、等温滴定型カロリーメータ(ITC)を用いてRNAとの相互作用解析を実施した結果、調製したタンパク質試料がRNA結合能を有していることも確認された。以上のことから、タンパク質試料の大量発現系および精製方法を確立することができ、mgオーダーでの試料調製に成功したため、今後実施予定の結晶化スクリーニングや相互作用解析を順調に進めていくことができると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
ZRSR2のRNA認識機構の解明に向けて、X線結晶構造解析と相互作用解析を進めていく。構造解析においては、まずRNA非結合型として結晶化条件の探索を行っていく予定である。結晶が得られた際は、X線照射実験や回折データの収集、構造解析を進めていく。解析した立体構造については、これまでに明らかにされている亜鉛結合モチーフとRNAの複合体構造と比較を行い、RNA結合部位を同定する。 また、構造解析と並行して相互作用解析によって、ZRSR2が特異的に結合するRNA配列を探索する。様々なRNA配列についてZRSR2との相互作用を調べ、最も強く結合するRNA配列を特定する。得られたRNA配列については、ZRSR2との共結晶化を実施し、RNA複合体の立体構造解析を進めていく予定である。
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