研究課題/領域番号 |
22K05429
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38030:応用生物化学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
小圷 美聡 京都大学, iPS細胞研究所, 特定研究員 (90565813)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | ヒトiPS細胞由来心筋細胞 / 成熟化 / コリン作動系シグナル / S100A1 / ムスカリン受容体M2 |
研究開始時の研究の概要 |
ヒトiPS細胞由来心筋細胞(hiPSC-CMs)は胎児期レベルの心筋細胞であり、臨床応用に際してより高い成熟度を有する心筋細胞の作製が求められている。これまでに申請者らのグループでは、心筋細胞の収縮や生理機能の発現に重要なカルシウムイオンの細胞内濃度調節を担うタンパクAが新生児以降の心臓組織に発現している事を突き止め、この遺伝子の発現を誘導する化合物Xを見出した。化合物Xが心筋細胞の成熟化を誘導する新規メカニズム仮説を検証することで、これまで成しえていない成人レベルの成熟度を持つhiPSC-CMsの作製を目指す。
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研究実績の概要 |
これまでに我々は心筋細胞の収縮機能に重要なカルシウムハンドリング遺伝子Aがヒト生後の心筋細胞に発現してくる事に着目して、遺伝子Aの発現を亢進させる化合物XをヒトiPS細胞由来心筋細胞(hiPSC-CMs)の成熟化促進化合物として見出している。化合物Xはコリン作動系シグナルの活性制御を介して細胞内のカルシウムハンドリング機能を亢進し、より強い収縮力を持った成熟度の高い心筋細胞の創出に寄与していると考えている。 そこで、生後の心筋細胞レベルの成熟度を示すhiPS-CMsの作製を目指し、本年度は化合物の作用メカニズムの解明に着手した。化合物Xを添加したhiPS-CMsのRNA sequence (RNA-seq)データ解析より、着目するコリン作動系シグナルと協調して変動するシグナル経路を抽出した。そのうちひとつのシグナルを活性化させる化合物Yを化合物Xと併せて心筋分化中の培地に添加すると、成熟化に関連する遺伝子群の発現が化合物X単独に比べて上昇することが分かった。コリン作動系シグナルとクロストークするシグナル経路を明らかにした事で、今後最適な成熟化化合物の添加条件が確立できるものと考えている。また、本年度は心筋細胞の成熟化評価のひとつであるパッチクランプ法による心筋細胞の活動電位測定も開始した。化合物Xを添加して分化したhiPSC-CMsは、添加していないコントロール細胞と比較して成熟心筋細胞に特徴的な活動電位波形を示した。コリン作動系シグナルの活性調節によって電気生理学的にも成熟化した心筋細胞が得られることが示唆された。
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