研究課題/領域番号 |
22K05438
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38030:応用生物化学関連
|
研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
高梨 功次郎 信州大学, 学術研究院理学系, 准教授 (10632119)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | シコニン / アルカニン / BAHDアシル基転移酵素 / ムラサキ / アシル基転移酵素 |
研究開始時の研究の概要 |
生薬として用いられるムラサキ科植物は、活性成分としてナフトキノン系化合物のシコニンおよびその鏡像異性体であるアルカニンに由来する多様なナフトキノン誘導体を生産する。本研究では、申請者が世界に先駆けて同定したシコニンおよびアルカニンにそれぞれ特異的なアシル基転移酵素のオルソログを複数のムラサキ科植物から単離し、それらのアシル基供与体を認識するメカニズムを調べる。さらに、各ムラサキ科植物のアシルCoAを生産する分岐鎖アミノ酸代謝機能を調べることで、ムラサキ科植物がどのように多様なシコニン/アルカニン誘導体を作り分けているかを明らかにする。
|
研究実績の概要 |
今年度もアシル基転移酵素がどのようにシコニンとアルカニンの鏡像異性体を認識しているか、その機構を明らかにするために、今年度もムラサキ科ムラサキから単離した2種のアシル基転移酵素のキメラタンパク質の作製を試みた。キメラタンパク質の作製は順調に進んでおり、2024年度にまとめて活性評価を行う予定である。また、当初の計画にはなかったが、シコニン生合成経路の未解明反応段階の解明のために、経路中間体の重水素ラベル体を作製してトレーサー実験を行った。そして、これまで曖昧だったシコニン/アルカニン生合成経路とエキノフラン生合成経路の分岐点の範囲を絞り込んだ。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
シコニン特異的なアシル基転移酵素LeSAT2とアルカニン特異的なLeAAT1のキメラタンパク質を作製し、基質認識部位の探索を行った。昨年度はLeSAT1とLeAAT1の間でキメラタンパク質の作製を試みたが、基質認識に関与するアミノ酸の同定には至らなかった。その原因として、両タンパク質の細胞内局在が異なることが考えられたので、今年度は共に細胞質局在を示すLeSAT2とLeAAT1のキメラタンパク質の作製を試みた。順調に進んでおり、2024年度にまとめて酵素活性測定を行う。 また、シコニン生合成経路の未解明部分の1つである、(Z)-3"-hydroxygeranylhydroquinone ((Z)-3"-OH-GHQ)からシコニン/アルカニン生合成経路とエキノフラン生合成経路への分岐について解明を試みた。 (Z)-3"-OH-GHQとその(E)体の重水素ラベル体を作製し、ムラサキ培養細胞に投与したところ、(Z)-3"-OH-GHQ処理区からはラベル化されたアシル化シコニンとシコノフランが検出されたのに対し、(E)体の処理区からはどちらも検出されなかった。
|
今後の研究の推進方策 |
LeSAT2とLeAAT1のキメラタンパク質の酵素活性測定を行い、鏡像異性体認識に関与するアミノ酸/ドメインの同定を試みる。また、シコニン生合成経路の全容解明を目的として、(Z)-3"-OH-GHQからデオキシシコニンの変換に関与する酵素の解析を行う。
|