研究課題/領域番号 |
22K05439
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38030:応用生物化学関連
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
中川 千春 岐阜大学, 応用生物科学部, 研究員 (20792013)
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研究分担者 |
中川 寅 岐阜大学, 応用生物科学部, 教授 (10281049)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | (プロ)レニン受容体 / ATP6AP2 / メラノサイト / ケラチノサイト / 皮膚 |
研究開始時の研究の概要 |
メラニンは皮膚細胞のDNAを紫外線によるダメージから守る物質であり、ヒトの皮膚や毛髪の色のもととなる色素でもある。メラニンは皮膚のメラノサイト(メラニン産生細胞)で作られ、ケラチノサイト(角化細胞)に受け渡されて保持される。最近の研究で、これら2種類の細胞が協力してはたらくことが明らかになってきている。本研究では、メラノサイトのメラニン産生に影響をおよぼす、ケラチノサイトが作り出す物質を見つけ、その作用とプロレニン受容体との関わりを調べる。
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研究実績の概要 |
メラニンは皮膚細胞のDNAを紫外線によるダメージから守る物質であり、ヒトの皮膚や毛髪の色のもととなる色素でもある。メラニンは皮膚のメラノサイト(メラニン産生細胞)内のメラノソームで作られ、ケラチノサイト(角化細胞)に受け渡されて保持される。最近の研究で、これら2種類の細胞が協働的にふるまうことが明らかになってきているが、詳細は不明である。(プロ)レニン受容体(PRR)は、受容体機能のほか、リソソームの酸性化、Wntシグナリング、細胞極性などに関わる多機能タンパク質として知られる。皮膚におけるPRRの役割は不明である。本研究では、メラノサイト、ケラチノサイトといった皮膚細胞の間で影響を及ぼしあう因子をPRRとの関わりから明らかにすることを目的とした。 当該年度は、PRRの欠損がメラノサイトに及ぼす影響を調べるために、前年度に作製したメラノサイトのモデルである培養細胞株B16-F0のPRR欠損細胞を用いた検討を行った。メラニン産生やメラノソーム分解に影響するオルガネラの酸性化について調べたところ通常の培養条件において明らかな酸性化の低下が見られず、既知の研究報告とは異なる結果となった。メラノソームの分解や細胞内輸送に関連するタンパク質の発現量やその細胞内局在については、引き続き解析中である。 ケラチノサイトに関しては、モデル細胞として用いた培養細胞株A431において、ケラチノサイトに取り込まれたメラノソームの分解メカニズムとPRRとの関連性を検証した。siRNAを用いた手法でPRRの発現を抑制して、細胞内の分解機構に関連する分子の遺伝子発現やタンパク質への影響を解析したところ、オートファジーへの影響が示唆された。また、A431細胞が生産する物質へのPRRの関与を調べるためにPRRを欠損したA431細胞の作製を試みたが、PRR欠損細胞は得られなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究が進行しているが、皮膚細胞の種間で影響を及ぼす因子の同定には至っていないためやや遅れていると評価した。
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今後の研究の推進方策 |
当該年度で得られた結果を踏まえて、研究を進める。 過去に報告された知見と異なる結果が得られている点があるため、引き続き検証を重ねていく。 また、実験材料としてケラチノサイトのモデル細胞のPRRノックアウト細胞の作製を行ったところ細胞を得られなかった。次年度も作製を継続し、PRRの欠損が細胞種によって細胞の生存に必須であると判断される場合にはPRRの機能解明への一つの手がかりとしていく。
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