研究課題/領域番号 |
22K05471
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38050:食品科学関連
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
前多 隼人 弘前大学, 農学生命科学部, 准教授 (80507731)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 肥満 / カロテノイド / 海藻 / 脂肪細胞 / 慢性炎症 / 腸内細菌 / フコキサンチン / 腸内細菌叢 |
研究開始時の研究の概要 |
ワカメやコンブなどの海藻には色素成分のフコキサンチンが含まれている。フコキサンチンは抗肥満や抗糖尿病作用を示す食品の機能性成分である。腸内細菌叢に変化は肥満に関係する疾患の発症に関係することが明らかになってきた。本研究ではフコキサンチンの摂取による腸内環境に対する作用を評価し、肥満により乱れた腸内細菌叢の改善とそれに伴う脂質代謝促進作用などの機能性について明らかにする。
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研究実績の概要 |
ワカメやコンブなどの褐藻類にはカロテノイドの一種であるフコキサンチンが含まれる。これまでの研究でフコキサンチンは脂肪細胞に作用し、内臓脂肪の蓄積抑制効果やインスリン抵抗性の原因となる慢性炎症を抑えることを報告している。本研究では腸内細菌叢の変化、及び短鎖脂肪酸などの有益な腸内細菌代謝物の大腸内での産生能の変化、摂取したフコキサンチンの腸管内での代謝動態について分析をおこなった。 糖尿病肥満モデルマウス(KK-Ay)に対しフコキサンチン0.1%含有食を与え、各臓器や腸管内容物のフコキサンチン、及びフコキサンチン代謝物の同定や蓄積量の測定を、HPLC-TOF-MS(液体クロマトグラフィー飛行時間型質量分析計)及びHPLCで測定した。各組織や腸管内容物でフコキサンチンの代謝物であるフコキサンチノール、アマローシアキサンチンAの蓄積が確認された。これらの代謝物の量は臓器によって異なり、肝臓ではフコキサンチノールの蓄積量が高く、白色脂肪組織ではアマローシアキサンチンAの蓄積量が高かった。その他に未同定のカロテノイド代謝物の蓄積が確認された。 C57BL/6Jマウスに高脂肪食と共にフコキサンチンを与える試験を実施した。対照群と比較しフコキサンチン投与群で白色脂肪組織重量、血糖値が低下傾向を示した。また肝臓の炎症に関わる遺伝子の発現低下が確認された。現在、各臓器のカロテノイド代謝物の測定や、腸内細菌叢に対する効果について検討を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
各組織でのフコキサンチン代謝物の量や腸内細菌叢の変化に関与する短鎖脂肪酸などの測定を行うことができた。未同定のフコキサンチン代謝物の同定や、新たに実施したフコキサンチン投与動物実験での腸内細菌叢の変化を分析する計画である。
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今後の研究の推進方策 |
メタゲノム解析の手法を用い、高脂肪食と共にフコキサンチン0.2%含有飼料を投与した動物試験の糞中での腸内細菌叢の変化を解析する。主に短鎖脂肪酸産生に関わる腸内細菌の変化を明らかにし、腸内細菌叢への影響によるフコキサンチンの抗肥満作用について評価を実施する。
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